日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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体育方法 ポスター発表

[09 方ーポー44] 器械運動における学習者の受動的キネステーゼの顕現化を促す学習ツールの検討

〇小倉 晃布1 (1.北海道教育大学岩見沢校)

体育授業やスポーツ指導の現場では、指導者が学習者に“動きを教える”ことがもっとも重要な活動になり、そこでの指導内容は指導者の動感(キネステーゼ)を土台とした“動きの感じ”、いわゆるコツというものが中心となる。しかし、指導者が教えるコツには、指導者が明確に意識できる運動の実施意識(能動的キネステーゼ)と、指導者本人の気づくという自覚のないまま無意識的に機能している受動的意識(受動的キネステーゼ)があり、運動指導においては、この受動的キネステーゼの分析が不可欠であるにも関わらず、受動的キネステーゼを分析し、把握するための方法については未だに解明されていない点が多い。そこで本研究では、運動指導において重要な役割を担う受動的キネステーゼを、発生運動学の方法である「焦点化質問法」によって顕現化し、運動指導に必要な動感として形成するための可能性と方法を例証的に探ることを目的とした。この目的を達成するために、本研究では、この焦点化質問法を用いた学習ツール「焦点化質問シート」を考案し、この学習ツールを用いた指導実践によって、指導者をめざす学生の受動的キネステーゼの顕現化が可能であるかを、器械運動のマット運動の基本技を対象として、事例的に明らかにしていった。そして、この学習ツールの活用が学生の指導力向上に効果的であるかどうかを、発生運動学の観点から考察し、学習ツールの有用性を検証していった。詳細は、発表時のポスター内に示す。