[09 方ーポー56] スポーツ指導者を目指す学生が有する理想のコーチング行動の変化
本研究はスポーツ指導者を目指す学生がコーチング関連科目を受講することによって、有する理想のコーチング行動の変化について調査を実施した。本研究を実施することで理想のコーチング行動に変化を与える講義内容や、在籍期間中に受講するコーチング関連科目の講義構成と内容を検討し、指導者育成へ向けたより良いプログラムの提供を目指した。
調査はLeadership Scale for Sport(Chelladurai & Saleh, 1980)(以下:LSS)を使用し、事前調査と事後調査を含む全4回実施された。事後調査時には自由記述の質問項目を追加し、得られたデータは質的データ分析法(Côté et al, 1993)を用いて分析をおこなった。分析の観点は日本スポーツ協会(2016)がコーチ育成に必要な学習領域の規範として示しているモデル・コア・カリキュラムを基準とし、分析結果から学生の授業理解度とニーズの理解を目指した。
LSSの解答から得られた各因子の平均点に事前および事後調査間に差があるのかどうかを検証した結果、学生が有する理想のコーチング行動に変化を確認することはできなかった。しかし、自由記述の分析結果からモデル・コア・カリキュラムにおいて割り当てられている「コーチングの理念・哲学」に関する講義内容が理想のコーチング行動に最も影響を与えていることが明らかとなった。
今後の課題として、コーチング関連科目において「対自分力」と「現場における理解と対応」に関する内容を講義で取り入れること、コーチング関連科目と他講義科目との関連性を説明し在学期間中に受講する指導者育成の全体的なビジョンを学生に示すこと、講義科目を跨いだ教員同士のより一層の情報共有と協力が必要であること、の3点が示された。これらの課題を解決することで、より効果の高い指導者育成のプログラムを提供することができると考えられる。
調査はLeadership Scale for Sport(Chelladurai & Saleh, 1980)(以下:LSS)を使用し、事前調査と事後調査を含む全4回実施された。事後調査時には自由記述の質問項目を追加し、得られたデータは質的データ分析法(Côté et al, 1993)を用いて分析をおこなった。分析の観点は日本スポーツ協会(2016)がコーチ育成に必要な学習領域の規範として示しているモデル・コア・カリキュラムを基準とし、分析結果から学生の授業理解度とニーズの理解を目指した。
LSSの解答から得られた各因子の平均点に事前および事後調査間に差があるのかどうかを検証した結果、学生が有する理想のコーチング行動に変化を確認することはできなかった。しかし、自由記述の分析結果からモデル・コア・カリキュラムにおいて割り当てられている「コーチングの理念・哲学」に関する講義内容が理想のコーチング行動に最も影響を与えていることが明らかとなった。
今後の課題として、コーチング関連科目において「対自分力」と「現場における理解と対応」に関する内容を講義で取り入れること、コーチング関連科目と他講義科目との関連性を説明し在学期間中に受講する指導者育成の全体的なビジョンを学生に示すこと、講義科目を跨いだ教員同士のより一層の情報共有と協力が必要であること、の3点が示された。これらの課題を解決することで、より効果の高い指導者育成のプログラムを提供することができると考えられる。