日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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体育方法 ポスター発表

[09 方ーポー62] サッカーにおけるオープンプレー得点率の簡便な予測手法の考案

Jリーグの攻撃回数、ペナルティエリア侵入回数、およびシュート数から

〇吉田 充1 (1.北海学園大学)

緒言:ゴール型スポーツの得点確率は、攻撃回数×シュート成功率の相乗効果によって高めることができると言われている。近年では、サッカーにおいても、シュートの角度や距離データなどに基づいた詳細な分析によって、ゴール期待値として示され活用されている。しかし、その分析には専門的知識や機材が必要なため、現場で活用するには制約が大きいことも指摘できる。そこで、本研究では、サッカーにおけるオープンプレー時得点率を、現場で誰でも観測可能なデータから求める手法について考案し、チーム指導や戦術構築の基礎的資料を得ることを目的とする。方法:分析には、Football LABが提供する、2020年におけるJ1、J2、およびJ3リーグの試合スタッツデータを使用した。分析対象は、攻撃回数、シュート数、ペナルティエリア(PA)侵入回数、およびオープンプレー(OP)得点数(PKおよびセットプレーからの得点を除く)とした。結果:①攻撃回数の3リーグの平均値は、118.33(±6.69)回で、上位と下位チーム、各リーグでの差は見られなかった。②各リーグにおけるOP得点数との関係を検討した結果、PA侵入回数(J1:r=.872,J2:r=.716,J3:r=.536)、およびシュート数(J1:r=.863,J2:r=.655,J3:r=.762)に、有意な正の相関が見られた。③J1の得点上位と下位5チームに分けて、平均値の差を検討したところ、PA侵入回数(t=2.86,p<.05)とシュート数/攻撃回数(t=3.74,p<.01)に有意差が見られた。結論:制限された攻撃回数の中で、いかに効率よく相手ゴールへ近づき、シュート回数を増やせるかが、得点を増やすためには重要であることが示唆された。また、現場でリアルタイムに観測可能な2つの要素から得点率を予想するモデルを考案できるであろう。