日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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学校保健体育研究部会 » 【課題B】保健体育授業をいかに良質なものにするか

学校保健体育研究部会【課題B】口頭発表①

2021年9月8日(水) 09:00 〜 10:05 会場10 (Zoom)

座長:細越 淳二(国士舘大学)

09:00 〜 09:15

[学校保健体育-B-01] ゴール型のボールを持たないときの動きを対象としたルーブリックの開発

*奥村 拓朗1、伊藤 雅広1、小泉 岳央2、岡出 美則1 (1. 日本体育大学、2. 日本体育大学大学院)

これまで体育授業を対象にゴール型のゲームパフォーマンスを評価する研究では、Game Performance Assessment Instrument(GPAI)に代表されるように、適切・不適切な行動の数を数えるイベント記録が用いられてきた。しかし、体育授業内で評価することを想定した場合、ゴール型の攻撃時のボールを持たないときの動きは、プレイの切れ目が分かりづらく出現頻度も多いため、授業内でイベント記録を用いて評価することは困難であり、何段階かの得点と、その評価基準を示すルーブリック評価を用いるほうが比較的簡便に自己評価・他者評価が実施しやすいと考えられる。そこで本研究では、体育授業のフラッグフットボールのゲームを事例に、ゴール型における攻撃時のボールを持たないときの動きのルーブリックを開発することとした。

ルーブリックの作成前には、システマティックレビューによって攻撃時のボールを持たないときの動きについてどのような動きが評価されているかを調査し、「フリー」、「スピード&クイックネス」、「状況の察知」、「パサーへの合図」、「おとり」の5つが抽出された。上記の5つの項目で各4段階のルーブリックを作成した。それを用いて4名が独立してプレイを評価した。評価対象は、埼玉県内にある小学校で4年生と6年生を対象として実施された全8時間単元のフラッグフットボール単元のゲーム映像である。評価後には評価者間信頼性(ICC)を確認し、十分な信頼性が確保されていない場合にはルーブリックの評価基準を修正し、異なるプレイを対象として再度評価した。この手続きを十分な信頼性が確保できるまで繰り返した。

その結果、各項目のICCは以下の通りであり、概ね十分な信頼性を確保することができた。(フリー:0.95、スピード&クイックネス:0.82、状況の察知:0.90、パサーへの合図:0.78、おとり:0.91)