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[学校保健体育-C-03] 小学生の握力の加齢にともなう縦断的変化
【目的】本研究の目的は、加齢に伴う児童の握力値の変動を明らかにすることである。【方法】対象者は2016年から2019年の4年間富山県内のK小学校に在籍した全ての児童である。児童の握力値は、毎年6月に実施した新体力テストのデータを解析した。2016年の1年(男子59人、女子53人)2年(男子41人、女子37人)3年(男子51人、女子54人)について、4年間加齢にともない継続して向上した向上継続群とそれ以外の非向上継続群に分類した。向上継続群・非向上継続群の平均値と全国平均値のt検定を行った。【結果】2016年の1年男子の向上継続群は29%、2年男子は44%、3年男子は35%であり、1年女子の向上継続群は42%、2年女子は43%、3年女子は39%であった。全国値と比較すると、非向上継続群は2016年の1年生で有意差はなかったが4年生になると有意に低くなった。向上群は1年生で有意に低かったが、4年生では有意差がなくなった。2016年の1年女子の向上継続群は全国値よりも有意に低いが4年生になると全国値や非向上継続群よりも有意に大きくなった。2016年の2年男子では、非向上継続群は学年進行に伴い全国値よりも有意に低くなるが、向上継続群は有意差がなかった。女子では、向上継続群は全国値よりも有意に低かったが、有意差のない程度に大きくなった。2016年の3年男子では、非向上継続群は向上継続群よりも有意に小さくなるが、向上継続群は全国値よりも有意に大きくなった。女子では、向上継続群は6年生になると非向上継続群や全国値よりも有意に大きくなり、非向上継続群は、全国値よりも有意に小さくなった。【考察】握力値が4年間毎年向上する児童の割合は、高くて44%であった。向上継続群の握力値は非向上継続群よりも増大傾向が認められた。