The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Theme)

学校保健体育研究部会 » 【課題C】体育・スポーツ健康科学は学校保健体育の進展にいかに貢献できるか

学校保健体育研究部会【課題C】口頭発表①

Wed. Sep 8, 2021 1:45 PM - 3:05 PM Room 10 (Zoom)

Chair: Akifumi Kijima (University of Yamanashi)

2:50 PM - 3:05 PM

[学校保健体育-C-05] 『サッカー指導の教科書』を参考に実施した指導プログラムの体力つくりからみた効果

*Ryosuke Tsuda1 (1. Kanazawa Medical University)

 日本サッカー協会(2014)は、小学校体育サポートのため『サッカー指導の教科書』を発刊している。これを受けて清水ほか(2017)は、指導プログラムの効果を技術・戦術的側面から検証している。しかし、現行の学習指導要領では体つくり運動のみでなく、その他の領域においても学習した結果としてより一層の体力向上を図ることが求められている(文部科学省、2017)。このことから、体力面からの検討も必要であると考えられる。
 そこで本研究では、『サッカー指導の教科書』を参考に実施した指導プログラムの体力つくりからみた効果を検証することを目的とした。対象者は石川県下のA小学校に在籍する5年生29名であった。単元は6時間から構成され、その内容は、『サッカー指導の教科書』を参考に、しっぽとり(鬼ごっこ・動きづくり)、ストップボール(ボールフィーリング)、3対3のミニゲーム(ゲーム)から構成した。単元前後に50m走、150m方向変換走(25m×6本、30秒休息)を行わせた。また、授業中の身体活動量をGPSを用いて測定した。さらに、技術・戦術面、体力面、心理面から構成される質問紙調査を単元前後に実施した。
 主な結果は次のとおりである。
1)単元前後で50m走の記録に変化は認められなかったものの、中間地点である25mの記録は単元後に有意に改善した。
2)150m方向変換走(6本の平均値)は、単元後に有意に改善した。
3)授業中の身体活動量は単元後に有意に低下した。
4)質問紙調査の関心・意欲・態度(質問項目12~14)は単元前後で有意差は認められなかった。
 以上より、『サッカー指導の教科書』を参考に実施した指導プログラムにより、スピードや全身持久力などの体力要素が高められることが示唆された。