14:45 〜 15:00
[学校保健体育-C-26] 高等学校の柔道授業における負傷事故の分析
中学校の武道必修化が高等学校の柔道授業に与える影響を中心に
本研究は、高等学校の柔道授業における負傷事故の分析から、その特徴を明らかにすることを目的とした。また、対象年度を中学校の武道必修化前後とし、高等学校の柔道授業の負傷事故への中学校の武道必修化の影響を検討した。データ資料は、(独)日本スポーツ振興センターより、情報提供を受けた。研究方法は、負傷事故発生時の状況に対し、KH Coder を用い、計量テキスト分析を行った。
結果、以下の負傷事故の特徴が明らかとなった。
①負傷事故件数は、学年では1・2年生、性別では男子がそれぞれ約9割を占めていた。
②共起ネットワーク分析から、「受け身」「投げる」「技」「試合」、また「バランス」「崩す」「転倒」など負傷事故における発生場面、状況をあらわす語が集まっていた。
③事故発生場面の分類コードによるクロス集計は、2012年度ではカイ二乗検定で、受け身練習(p<.01)と固め技(p<.05)の出現と学年・性別において有意な関連がみられた。さらに、残差分析の結果、すべての学年の女子が受け身練習、1年生・男子はそれに加え、固め技においても有意に高かった(p<.05)。また、2・3年生の男子は受け身練習において有意に低かった(p<.05)。一方、2016年度では受け身練習と投げ技において有意な関連がみられた(p<.01)。さらに、2・3年生の女子の受け身練習、3年生・男子は投げ技において有意に高かった(p<.05)。また、1年生が投げ技、2・3年生の男子は受け身練習において有意に低かった(p<.05)。
このように、武道必修化前後において1・2年生の男子が負傷事故件数の大部分を占めており、負傷事故の発生場面は受け身や投げ技、バランスを崩して転倒する状況など同様の傾向が推察された。ただ、武道必修化後には、1年生の投げ技の負傷事故の記述が少なくなっており、高等学校の柔道授業はより安全に行われていることが示唆された。
結果、以下の負傷事故の特徴が明らかとなった。
①負傷事故件数は、学年では1・2年生、性別では男子がそれぞれ約9割を占めていた。
②共起ネットワーク分析から、「受け身」「投げる」「技」「試合」、また「バランス」「崩す」「転倒」など負傷事故における発生場面、状況をあらわす語が集まっていた。
③事故発生場面の分類コードによるクロス集計は、2012年度ではカイ二乗検定で、受け身練習(p<.01)と固め技(p<.05)の出現と学年・性別において有意な関連がみられた。さらに、残差分析の結果、すべての学年の女子が受け身練習、1年生・男子はそれに加え、固め技においても有意に高かった(p<.05)。また、2・3年生の男子は受け身練習において有意に低かった(p<.05)。一方、2016年度では受け身練習と投げ技において有意な関連がみられた(p<.01)。さらに、2・3年生の女子の受け身練習、3年生・男子は投げ技において有意に高かった(p<.05)。また、1年生が投げ技、2・3年生の男子は受け身練習において有意に低かった(p<.05)。
このように、武道必修化前後において1・2年生の男子が負傷事故件数の大部分を占めており、負傷事故の発生場面は受け身や投げ技、バランスを崩して転倒する状況など同様の傾向が推察された。ただ、武道必修化後には、1年生の投げ技の負傷事故の記述が少なくなっており、高等学校の柔道授業はより安全に行われていることが示唆された。