The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Theme)

競技スポーツ研究部会 » 【課題C】ハイパフォーマンススポーツ (トップレベルの競技スポーツ)におけるトレーニングをいかに効果的に行うか

競技スポーツ研究部会【課題C】口頭発表②

Wed. Sep 8, 2021 1:45 PM - 2:55 PM Room 16 (Zoom)

Chair: Hayato Onuma (Kansai University of Social Welfare)

2:05 PM - 2:20 PM

[競技スポーツ-C-07] サッカー選手の間欠的連続スプリント中における疾走パフォーマンスの低下

ピッチ・ストライドの変化に着目して

*Seita Kuki1, Masamichi Okudaira2, Koji Wakayoshi1, Satoru Tanigawa3 (1. Osaka University of Economics, 2. Doctoral Program, University of Tsukuba, 3. University of Tsukuba)

間欠的にスプリントを連続する能力(Repeated Sprint Ability、以下RSA)は、サッカーの試合中における総スプリント距離と関係するため、サッカー選手にとって優先して高めるべき体力的要素である。RSAの研究は多く発表されているが、連続スプリント中のピッチ・ストライドの変化は十分に示されていない。連続スプリント中の疾走タイムの低下が、ピッチとストライドのいずれに起因するかを明らかにできれば、RSAを高めるトレーニングに資する知見が得られる。そこで、本研究の目的は、間欠的な連続スプリントの疾走タイムの低下に伴うピッチ・ストライドなどのステップ変数の変化を明らかにすることとした。13名の男子学生サッカー選手を対象に、人工芝のグラウンドで30mの全力疾走を10本行わせた。3点支持の静止姿勢からスタートさせ、スプリントの試技間には20秒の休息を設けた。光電管で30mタイムを測定し、側方から240Hzでパンニング撮影した。撮影された動画から、一歩ごとのストライド・ピッチ・接地時間・滞空時間を算出した。ステップ変数は、先行研究に従って、2から5歩目を初期加速区間、7から10歩目を中期加速区間および12から15歩目を後期加速区間と、加速区間を定義した。 疾走タイムにおいて、10本目は1本目よりも有意に遅かった。2要因分散分析の結果、ピッチは、全ての加速区間で1本目よりも10本目に低下していた。10本目の接地時間は全ての加速区間で長くなったが、滞空時間は後期加速区間においてのみ長くなった。一方、ストライドは、1本目と10本目との間で、いずれの加速区間でも有意差が認められなかった。本研究の結果から、間欠的な連続スプリントにおける疾走タイムの低下は、主に接地時間の増大によるピッチの低下に起因するため、短い接地時間を維持することの重要性が示唆された。