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[競技スポーツ-C-13] スピードスケートの陸上トレーニング手段としての『ドロップスケートジャンプ』に関するバイオメカニクス的分析
本研究の目的は、スピードスケートの陸上トレーニング手段として用いられている『ドロップスケートジャンプ』(DSJ)の動作を3次元解析することにより、トレーニング手段としての特徴について検討することであった。 オリンピアン2名(1名は金メダリスト)を含むスケート選手13名(男性4名、女性9名)にDSJを行わせ、VTRカメラ2台でその動作を撮影した(60fps)。得られた映像を用いて被験者の動作を3次元的に解析した。DSJとは、スケートの姿勢を維持したまま台上から自由落下し、着地とともに側方に跳躍するスピードスケートの陸上トレーニング手段である。台高は0.2mと0.4mの2種類とし、左右それぞれ全力ですばやく側方に跳躍させた。接地から身体重心最降下時点までを落下局面、以降の離地までを跳躍局面とした。本研究では、身体重心の運動を支持脚足関節と身体重心を結ぶ線分としてモデル化し、側方への重心速度を線分の伸展成分と回転成分に分解した。 側方へのジャンプ長(JL)と500mベストタイムとの相関はr=-0.827であった(p<0.001)。離地時における重心速度の水平成分(Vx)は、右0.2m台高:2.49±0.20m/s、左0.2m台高:2.47±0.27m/s、右0.4m台高:2.55±0.28m/s、左0.4m台高:2.47±0.28m/sであった。0.4m台高試技でのVxは右試技が左試技よりも大きく、モデル化による伸展成分によるVxのピーク値に有意差が認められた(右0.4m台高:0.97±0.20m/s>左0.4m台高:0.93±0.19m/s;p<0.001)。回転成分によるVxは落下局面で左試技よりも右試技で大きく、身体重心最降下時点では有意に大きかった(右0.4m台高:0.77±0.07m/s>左0.4m台高:0.68±0.08m/s;p<0.001)。