The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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スポーツ文化研究部会 » 【課題B】人々の生活に根ざした多様なスポーツ文化をいかに醸成していくか

Ideal of Sport and Its Violent Nature: Self-Reflection on the Research for Ripening Diverse Cultures of Sport

Wed. Sep 8, 2021 10:45 AM - 12:45 PM Room 2 (Zoom)

Chair: Shohei Takao (Nippon Sport Science University), Rieko Yamaguchi (Josai University)

11:25 AM - 12:05 PM

[スポーツ文化-SB-2] A Decade of Developing Sport Policies and Academia

*Satoshi Shimizu1 (1. University of Tsukuba)

<演者略歴>
1991年3月筑波大学大学院博士課程体育科学研究科修了(教育学博士)。同年12月筑波大学講師体育科学系。現在、同体育系教授。甲子園野球、浦和レッズサポーター、オリンピックに関する文化社会学のほか、身体文化の歴史的研究を行っている。1999年11月の創刊以来『現代スポーツ評論』(創文企画)の編集に携わってきた。
 暴力とはある者(機関)の権力行使によって、人々の生きる権利及び自由、そして生活を奪うことである。また、その過程において犠牲者や排除者が再生産される。アカデミアは、その知と実践により、暴力の状況を関知し、非暴力の解決策を講じ、ひとたび秩序(規則、制度等)が成立しても、次なる暴力の発生を関知し、改革が継続されるよう人々に促す役割をもつ。
 本発表では、東日本大震災と福島第一原子力発電所の崩壊ののち、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以後、東京2020大会)の開催立候補を決定した2011年から2021年までのスポーツ界を振り返り、国/地方/地域社会/大学等の各レベルで何が行われてきたのかを追い、アカデミアの可能性を考える。
 2013年9月6日に東京2020大会の開催が決定し、日本政府は”Sport for Tomorrow Project”を世界に向けて公言し、「スポーツを通した国際貢献」を明確にした政策を打ち出し、2016年7月にはTOCOGが「東京2020アクション&レガシープラン2016」を発表している。さらにガバナンスコードを策定したものの、人権に関する問題は継続的に浮上している。アカデミアは暴力を回避する術を提示することができるのだろうか。それはいつ、どのように、何を対象にして議論し、実践することによってなのだろうか。