The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Theme)

生涯スポーツ研究部会 » 【課題C】人生100年時代に向けていかに人々のスポーツ権を保障するか

生涯スポーツ研究部会【課題C】口頭発表②

Wed. Sep 8, 2021 2:20 PM - 3:15 PM Room 22 (Zoom)

Chair: Toshiki Tachi (Shizuoka Sangyo University)

2:40 PM - 2:55 PM

[生涯スポーツ-C-06] 車いすバドミントン初心者に対する導入プログラムの検討2

継続に着目した検証

*AYUKO USHIKI1, Mayumi Saito1, Yukinori Sawae1, Yutaka Matsubara1 (1. University of Tsukuba)

前回の検討1では、初心者に特化したプログラムとして、車いすバドミントン導入プログラムにおける「きっかけ」「継続」「普及」の3要素の重要性を明らかにした。そこで、本研究では車いすバドミントン体験会を実施し、「継続」に着目した導入プログラムの有効性を検証することを目的とした。対象は日常生活で車いすや義足を使用する下肢障がい者で、ラケットの掌握、自走が可能な成人男性8名である。体験会を、①チェアワーク②ヒッティング③専門の用具④車いす選手を見る機会⑤楽しさの5つの視点から構成し、1回あたり90分で全2回実施した。体験会終了後、Ⅰ参加動機Ⅱ体験会内容Ⅲ車いすバドミントンの印象を質問の軸に半構造化インタビュー調査を行った。リサーチクエスチョンを『体験会の何が参加者の継続意欲に影響を与えたのか』と定め、主題分析を行った。以上から、参加者に応じて柔軟な内容を用意し提示する体験会が「継続」において有効であることが示された。具体的な内容に、車いすバドミントン特有のチェアワークを取り入れること、ラリーを中心に段階的なヒッティングを行うこと、ヒッティングパートナーの存在がある。また、車いすバドミントンに必要な用具の用意、専門家との連携、車いす選手を見る機会、インクルーシブな環境下で達成感や楽しさを感じられることが継続意欲に繋がることが明らかになった。体験会をはじめとする活動の場が必要であり、定期的な開催やそれらに関する情報提供は継続を保証する環境として、社会レベルで取り組むべき課題である。導入プログラムの3要素は互いに関連しており、有効な導入プログラムとしての好循環を生むためには、各要素への働きかけが必要であることが明らかになった。