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[健康福祉-B-01] 子どもの体力および学力の高低と生活習慣との関係
文武両道な子どもを育むための生活習慣を探る
本研究は、子どもの体力および学力を包括的に評価し、その高低と生活習慣との関係について検討することを目的とした。対象者は公立の小学校に通う小学校6年生児童1165名(男子596名、女子569名)であった。調査にあたり、研究協力を得た教育機関より全国体力・運動能力、運動習慣等調査(体力テスト)および全国学力・学習状況調査(学力テスト)の調査結果を収集し、2つのデータを連結した。体力テストおよび学力テストより、体力総合得点および学力総合得点をそれぞれ算出した。また、生活習慣に関する項目として、運動時間、睡眠時間、スクリーンタイム、朝食摂取状況、起床・就寝時刻、学習の計画性、宿題の遂行、授業の予習・復習および学習時間を分析に用いた。体力総合得点および学力総合得点を用いて対象者を高体力・高学力群(体力偏差値および学力偏差値≧55)、高体力・低学力群(体力偏差値≧55かつ学力偏差値≦45)、低体力・高学力群(体力偏差値≦45かつ学力偏差値≧55)および低体力・低学力群(体力偏差値および学力偏差値≦45)の4群に区分した(文武両道区分)。文武両道区分による4群における体力・学力の高低と生活習慣の関連をx2検定および残差分析を用いて検討した。解析の結果、有意な関連が認められたのは運動時間、睡眠時間、休日のスクリーンタイム、朝食摂取状況、学習の計画性、宿題の遂行、授業の予習・復習であった。詳細な分析から、体力および学力をバランスよく育むためには、毎日朝ごはんを食べることや、十分な睡眠時間を確保することといった基本的な生活習慣の確立に加えて、体力に関しては毎日適度な運動を行うことが重要であることが示唆された。学力に関しては、どれだけ学習するかといった学習量よりも、毎日宿題に取り組むことや、自ら計画を立てて勉強することおよび授業の予習・復習をするといった学習の質が強く影響する可能性が示された。