The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Theme)

健康福祉研究部会 » 【課題B】認知機能の維持・改善に運動・スポーツはいかに貢献するか

健康福祉研究部会【課題B】口頭発表①

Wed. Sep 8, 2021 9:00 AM - 10:25 AM Room 23 (Zoom)

Chair: Yoko Hosotani (Toyo University)

9:15 AM - 9:30 AM

[健康福祉-B-02] 幼児期における非認知機能と知能指数および体力との関連

*Rise Sugiyama1, Kenta Otubo2,3, Kasuga Kosho4 (1. Graduate School of Gifu University, 2. Grad School of Hyogo University of Teacher Edu., 3. JSPS Research Fellowship for young scientists, 4. Gifu University)

本研究は、幼児期における非認知機能と知能指数および体力の関連を明らかにすること、ならびに、非認知機能の高低による知能指数と体力の差を検討することを目的とした。対象は、私立幼稚園に在籍し、知的な遅れがない年長児123名(男児:55名、女児:68名)であった。知能指数は、田中ビネー知能検査Ⅴによって、生活年齢、精神年齢を算出して測定し、Tスコア化した。体力は、幼児用体力テストを用いて7項目を測定し、7項目の主成分分析から得られた第一主成分得点を、性別および年齢別(0.5歳区分)にTスコア化し、体力総合得点とした。非認知機能は、Gutman & Schoon(2013)の先行研究を参考に作成した質問紙を用いて、幼児のクラス担任を対象に調査した。得られた回答から平均と標準偏差を算出し、3段階評価(1:X 非認知機能と知能指数および体力の関連を検討するために、ピアソンの積率相関係数を算出した。また、非認知機能の高低による知能指数および体力の差を検討するために一要因分散分析を適用した。
分析の結果、知能指数と自己認識、社会的適性および創造性の非認知機能3項目間、体力と自己認識、意欲、社会的適性および回復力と対処能力の非認知機能4項目間で、有意な関連が認められた。一要因分散分析の結果、自己認識および社会的適性は、知能指数と体力の両面で非認知機能3群間に有意差が認められた。加えて、知能指数では創造性と、体力では意欲および回復力と対処能力の項目にも有意差が認められた。以上のことから、自信やリーダーシップがある幼児は、知能や体力が高い傾向にあると示唆された。加えて、知能が高い幼児ほど、工夫する力や創造する力があり、体力が高い幼児ほど、物事に意欲的に取り組む力や根気強さがあると示唆された。