1:45 PM - 2:00 PM
[健康福祉-C-01] 体育・スポーツ系学部卒業生の栄養摂取状況
J-Fit+ Study
近年、アスリートの引退後のキャリア問題に関心が高まっており、様々な社会的支援が行われている。その中で、アスリートの引退後の健康維持についてもセカンドキャリアを考える上で重要な観点であるといえる。先行研究によれば、若年期の運動習慣はその後の生活習慣病発症予防に有効であるとの報告がある。一方で、引退後のアスリートは食事に対しての意識が低く、引退後に体重が増加することを示した研究もある。そこで本研究では、若年期までに継続的な運動習慣を有する者が多く所属すると考えられる体育・スポーツ系学部の卒業生に食事調査を実施し、日本人の平均摂取量との比較を通して、その特徴を明らかにすることを目的とした。
対象は2018年以前に体育・スポーツ系学部を卒業した成人2067名(男性1721名、女性346名)であった。食事調査は食物摂取頻度調査(BDHQ:簡易型自記式食事歴法質問票)を用いた。食事摂取量は令和元年国民健康栄養調査の結果と比較し、Z検定(p < 0.05)を用いて統計的有意差を判定した。性・年代別(男性:20~80歳代、女性:20~40歳代)に分析した結果、対象者のエネルギー摂取量が有意に高かったのは、30歳代・80歳代の男性だけであった。しかし、男女ほとんどの年代で、有意に脂質のエネルギー比率が低く、炭水化物のエネルギー比率が高かった。また全ての年代・性別でカリウムの摂取量が有意に高く、食物繊維の摂取量が有意に低かった。塩分の摂取量は40歳代女性以外、有意に高かった。今回は栄養素の摂取状況についてのみ解析したが、引退後のアスリートが健康を維持するためにどのような食選択をしていくことが有益であるかということに繋げるためには、食品摂取状況についても検討する必要がある。
付記:本研究は共著者の他、順天堂大学体格体力累加測定研究プロジェクト(J-Fit+ Study)グループの支援を受けて実施した。
対象は2018年以前に体育・スポーツ系学部を卒業した成人2067名(男性1721名、女性346名)であった。食事調査は食物摂取頻度調査(BDHQ:簡易型自記式食事歴法質問票)を用いた。食事摂取量は令和元年国民健康栄養調査の結果と比較し、Z検定(p < 0.05)を用いて統計的有意差を判定した。性・年代別(男性:20~80歳代、女性:20~40歳代)に分析した結果、対象者のエネルギー摂取量が有意に高かったのは、30歳代・80歳代の男性だけであった。しかし、男女ほとんどの年代で、有意に脂質のエネルギー比率が低く、炭水化物のエネルギー比率が高かった。また全ての年代・性別でカリウムの摂取量が有意に高く、食物繊維の摂取量が有意に低かった。塩分の摂取量は40歳代女性以外、有意に高かった。今回は栄養素の摂取状況についてのみ解析したが、引退後のアスリートが健康を維持するためにどのような食選択をしていくことが有益であるかということに繋げるためには、食品摂取状況についても検討する必要がある。
付記:本研究は共著者の他、順天堂大学体格体力累加測定研究プロジェクト(J-Fit+ Study)グループの支援を受けて実施した。