The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Theme)

健康福祉研究部会 » 【課題C】運動不足(不活動)に伴う⼼⾝機能の低下をいかに予防するか

健康福祉研究部会【課題C】口頭発表①

Wed. Sep 8, 2021 1:45 PM - 3:00 PM Room 23 (Zoom)

Chair: Tetsuhiro Kidokoro (Nippon Sport Science University)

2:30 PM - 2:45 PM

[健康福祉-C-04] 1週間キャンプが子どものメラトニン代謝リズムに与える影響

*Yuji Minatoya1, Akiko Shikano2, Natsuko Enomoto3, Shingo Noi2 (1. Nippon Sport Science University Master Course, 2. Nippon Sport Science University , 3. Nippon Sport Science University Doctoral Course)

目的:近年の子どもの生活の夜型化、深夜型化が問題視されている。そのような中、野井ほか(2009)は、1カ月の長期キャンプが子どものメラトニン・リズムの改善に有効に働く様子を報告している。ただ、1カ月にわたるキャンプは、持続可能な取り組みとは言い難く、よりハードルの低い取り組みが求められている。そこで本研究では、1週間のキャンプが子どものメラトニン分泌パタンに及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。
方法:対象は小学4年生から中学2年生までの9名(男5名、女4名)であり、調査は2020年12月から翌年1月までの期間に行われた。キャンプ期間は12月27日から1月2日までであった。唾液採取は、1-2日目(前半)、6-7日目(後半)、14-15日後(2週間後)、27-28日後(4週間後)のいずれも21:30(夜)と6:30(朝)に実施された。分析では、夜から朝にかけてのメラトニン濃度の推移を観察するとともに、その変化量(夜―朝)を算出し、4期間の変化量を対応のある一元配置分散分析を用いて比較し、有意差が認められた場合には多重比較(Bonferroniの方法)も実施した。加えて、それぞれの効果量(Cohen’s d)も確認した。
結果:メラトニン分泌量が「夜>朝」の変化を示した者は、前半6名、後半9名、2週間後8名、4週間後5名であった。さらに、4期間の変化量を一元配置分散分析により比較した結果、後半と4週間後に有意な差が確認された。また、それぞれの効果量は、前半-後半、後半-4週間後で大きな効果、前半-2週後で小さな効果が確認された。以上のことから、1週間のキャンプ生活は、子どものメラトニン分泌パタンを改善させ、その効果は2週間後まで持続するものの4週間後にはキャンプ前の状態に戻ってしまうことが示唆された。
付記:本研究は令和2年度日本体育大学学術研究補助費の援助を受けて実施された。