The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Theme)

健康福祉研究部会 » 【課題B】認知機能の維持・改善に運動・スポーツはいかに貢献するか

健康福祉研究部会【課題B】口頭発表②

Wed. Sep 8, 2021 9:00 AM - 10:10 AM Room 24 (Zoom)

Chair: Benio Kibushi (Waseda University)

9:40 AM - 9:55 AM

[健康福祉-B-08] Azure Kinectを用いた歩行動作および立ち上がり・座り動作計測時の精度検証

*Kohei Yoshimoto1, Masahiro Shinya1 (1. Hiroshima University)

医療・介護分野において、運動の定量的な評価は、動作改善、怪我の予防に有用である。マーカーレスモーションキャプチャシステムであるKinectは、低コストかつ短時間で3次元解析が可能であり、医療・介護現場への普及が期待される。そこで本研究では、歩行動作及び立ち上がり・座り動作課題を用いて、Kinectの精度検証を行った。
若年成人5名を対象に、歩行動作および、立ち上がり・座り動作を光学式モーションキャプチャシステム(Qualisys , 120 Hz)および、Azure Kinect (2019年、30 Hz)を用いて計測した。また、Kinectの配置による測定精度の違いを明らかにするために、被験者前方0°、30°、60°、90°の4つの測定角度から撮影を行った。
歩行や立ち上がり・座り動作の開始や終了の時間イベントを正常に検出できなかった試行、およびKinectが身体部位を誤推定した試行を、測定失敗試行として定義した。歩行時の立脚期時間・遊脚期時間、立ち上がり・座り時間などの時間的パラメータと、歩行時のストライド長・ステップ長・ステップ幅などの空間的パラメータを算出した。各パラメータに対して、Kinectによる計測値とQualisysによる計測値の差を分析し、系統誤差と偶然誤差の定量を行った。
歩行動作および、立ち上がり・座り動作ともに、被験者前方0°の位置に設置した測定失敗試行回数は、30°、60°、90°の位置に比べて多かった。このことから、Kinectを正面より斜め前や真横に設置した方が、妥当な測定値を得られることが考えられる。一方で、カメラを斜め前や真横に設置した場合、カメラ側の脚と反対脚では、異なる系統誤差、偶然誤差を示すことが多かったため、左右の対称性評価や少ない測定回数での評価は、注意を要すると考えられる。