日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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健康福祉研究部会 » 【課題C】運動不足(不活動)に伴う⼼⾝機能の低下をいかに予防するか

健康福祉研究部会【課題C】口頭発表②

2021年9月8日(水) 13:45 〜 15:00 会場24 (Zoom)

座長:田中 愛(明星大学)

14:30 〜 14:45

[健康福祉-C-09] 幼児期から児童期における身体活動の変化がCOVID-19感染拡大下における児童期の精神的健康に及ぼす影響

*榎本 夏子1、鹿野 晶子2、田中 千晶3、田邊 弘祐4、田中 良5、野井 真吾2 (1. 日本体育大学 大学院 、2. 日本体育大学、3. 東京家政学院大学、4. 帝京平成大学、5. 大阪体育大学)

目的:Liu er al. (2021)は、COVID-19感染拡大時に週2日以上中高強度の身体活動を実施していた中国人の子どもが、精神的健康に関する問題が少なかったことを報告している。一方で、それがCOVID-19感染拡大により影響したものであるかは不明である。そこで本研究ではCOVID-19の感染拡大前後における幼児期から児童期の日常生活全般の身体活動量および活動頻度の変化が児童期の精神的健康に及ぼす影響を検討することを目的とした。
方法:対象は2019年度(年長)および2020年度(小1)の両調査に参加した26名(男14名、女12名)とした。調査は2019年10月〜11月とCOVID-19の感染拡大下にあった2020年の同時期に実施した。身体活動量は、Active Style Pro(HJA-750C、オムロンヘルスケア社製)を使用し、7日間に亘り歩数を測定し、平日の平均値と土日・祝日の平均値を求め、それぞれ5日、2日と重み付けすることによって個人毎の代表値を求めた。精神的健康は、日本語版SDQの回答を保護者に求め、得点化として総合困難度得点を使用した。加えて2020年度調査では、COVID-19感染拡大前後における屋外でのスポーツや遊びの実施頻度の変化を保護者に尋ねた。分析は、線形混合モデルの二要因分散分析を実施した(独立変数: 調査年度(2019年、2020年)、歩数の変化量(減少群、増加群)、COVID-19感染拡大前後における活動の実施頻度(減少群、変化なし群、増加群)、従属変数:2019年度、2020年度の総合困難度得点)。
結果:歩数の変化量と総合困難度得点に有意な主効果や交互作用はみられなかった。対して、屋外でのスポーツや遊びと年度とに有意な交互作用が確認され、屋外でのスポーツや遊びが減少した子どもでは、幼児期に比して児童期の総合困難度得点が有意に増加した。