The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Theme)

健康福祉研究部会 » 【課題C】運動不足(不活動)に伴う⼼⾝機能の低下をいかに予防するか

健康福祉研究部会【課題C】口頭発表②

Wed. Sep 8, 2021 1:45 PM - 3:00 PM Room 24 (Zoom)

Chair: Ai Tanaka (Meisei University)

2:45 PM - 3:00 PM

[健康福祉-C-10] COVID-19感染拡大期の自粛生活中における大学初年次生の精神的健康及びその関連要因の実態

今後の学生支援のために

*Masanobu Uchiyama1 (1. Akita Prefectural University)

 COVID-19の感染拡大期に大学に入学した青年達は、国内で最初の緊急事態宣言(令和2年4月16日~5月25日)の発出下において、新生活や一人暮らしへの不安を抱えつつ自粛生活を強いられた。このような生活は彼らの精神的なストレッサーとなった可能性がある。本研究の目的は、新型感染症拡大期における大学初年次生の精神的健康と関連要因の実態を明らかにし、今後の学生支援に有効な知見を得ることであった。
 調査対象は令和2年4月に大学に入学した男女計100名であった。調査時期は初の緊急事態宣言下(5月12日)であった。調査項目は抑うつ尺度CES-D、生活習慣(睡眠時間等)、IPAQ身体活動量、座位行動量(ネット利用時間等)、近隣環境へのアクセスの良さ、ソーシャルサポート度、コーピング、及び認知方略(Locus of Control:LOC)とした。単変量解析として対応のないt検定により各項目の性差を調べ、次に性別にCES-D得点とその他の項目間の単相関分析を行った。更にCES-D得点を従属変数とし、前述の単相関分析で有意な係数を示した項目等を独立変数とする重回帰分析を強制投入法で行った(α=5%)。
 全対象者のうちCES-Dのカットオフ値16点以上の者は約6割いた。この割合はCOVID-19感染拡大期以前の先行研究による値と同程度であった。CES-D得点に性差は認めらなかった。身体活動量及び座位行動量に関する項目に有意な性差が認められたため、性で調整し重回帰分析を行った結果、有意なモデル(F=4.85、p<.01、調整済R2=0.27)が得られた。独立変数のうちネット利用時間、ソーシャルサポート度、睡眠時間、及びLOC得点の回帰係数が有意(標準化βの大きい順、ネット利用時間のみ正)であった。自粛生活という特殊な状況下においてこれら項目の観察から効率的な学生ケアが可能かもしれない。