日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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健康福祉研究部会 » 【課題C】運動不足(不活動)に伴う⼼⾝機能の低下をいかに予防するか

健康福祉研究部会【課題C】口頭発表③

2021年9月8日(水) 13:45 〜 15:15 会場25 (Zoom)

座長:岩沼 聡一朗(帝京科学大学)

14:00 〜 14:15

[健康福祉-C-12] 緊急事態宣言下におけるオンラインエクササイズの実施状況

ウェブアンケートによる調査結果の報告と一考察

*穂積 典子1 (1. 公益財団法人日本フィットネス協会)

研究の背景:新型コロナウィルス感染者の急増により2020年4月に全国に緊急事態宣言が発令され、ほとんどの運動施設が休業を余儀なくされ、運動習慣を有する多く人々が運動の場を失い、同時にフリーランスのインストラクターやトレーナーも指導の場を失った。そこで台頭したのが、オンラインでのエクササイズ指導である。従来から動画サイトへは多くのエクササイズ動画が投稿されていたが、この休業要請を機に新たに多くの運動指導者が動画の投稿をするようになった。また、オンライン会議システムやSNSのライブ配信機能を活用したリアルタイムでの運動指導も行われるようになった。長期化する感染蔓延状態の我が国においては、オンラインにおいても安全で効果的な質の高い運動指導が望まれる。本研究では2020年4月に発令された緊急事態宣言期間中のオンラインエクササイズの実施状況についてウェブサイト上でアンケートを行い、実施状況や今後の課題等について検討した。
研究方法:調査の趣旨と回答フォームのURLをSNS上で公開し、回答者を募った。回答はPCまたはスマートフォンからアクセス可能とした。公開期間は2020年6月7日~8月15日とした。
調査結果:有効回答96件中、動画の視聴が67件、ライブ配信受講が41件(重複あり)と、半数以上が何らかの形でオンラインでのエクササイズを実施していた。動画の視聴内容は筋力トレーニングが最も多く、ライブ配信ではヨガの受講が最も多かった。動画提供者の属性はトレーナー、理学療法士などの個を対象とした指導者と、ダンスやヨガのインストラクターなどグループ指導を主とするものがほぼ同じ割合だったのに対し、ライブ配信ではグループエクササイズ指導者が大多数を占めた。これらのエクササイズ実施者の多くは、動画視聴ライブ配信受講を問わず、体の不調の改善や気持ちが前向きになるなど、身心両面での効果を自覚していた。