15:30 〜 16:00
[健康福祉-SC-1] COVID-19のパンデミックがもたらした就労者のライフスタイルの変容と健康への影響
<演者略歴>
1999年早稲田大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了、博士(人間科学)取得。早稲田大学人間科学部助手、日本学術振興会特別研究員PD、東京都老人総合研究所介護予防緊急対策室主任を経て、2006年より早稲田大学スポーツ科学学術院准教授に着任。2012年より教授(現在に至る)。専門は、健康行動科学、行動疫学。
1999年早稲田大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了、博士(人間科学)取得。早稲田大学人間科学部助手、日本学術振興会特別研究員PD、東京都老人総合研究所介護予防緊急対策室主任を経て、2006年より早稲田大学スポーツ科学学術院准教授に着任。2012年より教授(現在に至る)。専門は、健康行動科学、行動疫学。
COVID-19パンデミックは、我々のライフスタイル、特に日常の身体活動や座位行動に変化をもたらし、結果として健康状態に大きな影響を及ぼしている。Tison et al. (2020) の研究では、一日の歩数に関して、初回の緊急事態宣言時に日本全体では最大2,000歩、東京では最大3,000歩程度減少傾向であったことが示されている。就労者の場合、リモートワークの導入により働き方が大きく変化し、それに伴い日常の身体活動や座位行動も増減している可能性がある。我々は、就労者を対象にした大規模な縦断調査を実施し、COVID-19の影響が全くない時期に比べて、緊急事態宣言後にリモートワークが増加したことに伴い、仕事中の身体活動が減少し、座位行動が増加すること、さらにはそれらの変化が就労者の疲労感の増大に影響していることを明らかにした (Koohsari et al., 2020, 2021)。本話題提供では、これらの知見を含めたCOVID-19パンデミックによる身体活動の減少や座位行動の増加ならびに心身の健康への影響を明らかにした研究事例を紹介するとともに、適切な身体活動量の確保や座りすぎ防止を促し、いわゆる健康二次被害を回避するための対策や、必要な研究課題等について議論したい。