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[スポーツ文化-C-05] 大学生アスリートを対象としたアンチ・ドーピング教育の課題
大学生アスリートを対象としたアンチ・ドーピング教育および関連する取り組みが国内においてどのようになされているかを確認し、その課題を探ることが本発表の目的である。彼らを対象とする理由は、現実的にアスリートとしてドーピング検査を受ける可能性があり、また将来スポーツ指導者などとして高いアンチ・ドーピング意識を必要とされているためである。その教育の課題を探るために、大学生アスリートを対象としたアンチ・ドーピング教育の現状を確認し、アンチ・ドーピング教育の目的やねらいを把握する。また、アンチ・ドーピング教育の現状との齟齬やその困難性を明らかにしたい。アンチ・ドーピング教育に関連した調査研究のレヴューを行い、アンチ・ドーピング教育関連の教本等からその目的・ねらいを抽出し、両者の間の隔絶の有無とその背景について検討する。その結果示されたのは、知識不足により、本人にはそのつもりがなくてもドーピング違反になる事例が多い現状に鑑み対策を講じようとする傾向である。倫理・道徳的な教育というよりもむしろ知的教育への比重が高い傾向がみられ、前者の教育の必要性や有効性、またそうした教育の意義を再検討する必要がある。