The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Subdiscipline)

専門領域別 » Aging and Health Promotion

保健/口頭発表②

Thu. Sep 9, 2021 11:15 AM - 11:51 AM Room 11 (Zoom)

Chair: Koichi Iwai (Ibaraki Prefectural University of Health Sciences)

11:27 AM - 11:39 AM

[10 保-口-05] 保健体育科教師の性に関する指導の認識

Andragogy Theory を用いた分析

*Miho Miyachi1, Takafumi Tomura1, Manami Koide1, Yu Furuta1, Ayaka Izumi1, Chie Kataoka2, Takahiro Sato2 (1. Graduate School of University of Tsukuba, 2. University of Tsukuba)

日本の学校における性に関する指導は、教育活動全体を通じて行われることになっており、特に保健体育科での保健教育はその中核的な役割を担うと言える。性に関する指導はこれまで、学習指導要領の改訂をはじめとして拡充が図られ、学校現場でのよりよい実践が積み重ねられつつあると思われる。しかしながら、子どもたちの学習成果は十分に好ましい状況ではないことが示されていたり(公益財団法人日本学校保健会保健学習推進委員会、2017)、教師や保護者等の考え方により制限を受けていたりすることもある。本研究では、Andragogy Theory(Knowles et al., 2005)に基づいて、保健体育科教師の性に関する指導の認識を明らかにすることを目的とした。Andragogy Theoryとは成人学習理論であり、この理論を用いることによって、保健体育科教師が性に関する指導をする際にどのような課題に直面しているか、また課題解決に向けた教師の動機や目標、経験学習の内容を明らかにすることができると考えられる。本研究は探索的ケーススタディを用いた質的記述的研究法である。中学校および高等学校の保健体育科教師5名(男性4名、女性1名)を対象に、半構造化面接法を用いてデータを収集した。分析は主題分析法を用いて行った。その結果、「性に関する指導におけるネガティブな認識」、「性的指向とジェンダー表現における指導のジレンマ」、「問題解決型の教師の学び」、「性に関する指導の教師教育の重要性」の4つのテーマが見出され、様々な心境を抱えていることが示された。保健体育科教師は性に関する指導において、社会的および文化的に多様な背景を持つ生徒を支援することが重要である。そのために保健体育科教師は、性に関する指導について教育を受ける機会が必要であり、指導方法の質を一層高めることが求められる。