11:00 〜 11:15
[11 教-口-09] 「表現系ダンス」における双方向的で創造的な学びを実現する指導(3)
固有の質感の動きを有する題材・テーマ「2人の戦い」の実践から「これだけは指導したい内容」について再考する
本研究は、舞踊教育専門家3名、小・中学校現場の熟練指導者2名の5名で構成する専門家チームで協議を重ねながら、表現系ダンスにおける「これだけは指導したい内容」の一般化へ向けて、「指導案の作成-熟練指導者(4名)による実践-指導案の再検討-未熟練指導者(6名)による実践」の過程を経て実証的研究を進めてきた。
固有の質感の動きを有する題材として取り上げた「2人の戦い」では、「体をひねる」「すばやく・ストップ・超スロー」「床を使って動きを連続」の3つを「これだけは指導したい内容」として仮説的に捉えて実践した。その結果、熟練指導者は3つを関連させながら指導しようとしていたが、未熟練指導者は3つを関連させながら指導することが難しい傾向にあった。特に未熟練指導者は、「体をひねる」を十分に指導しきれないまま「すばやく・ストップ・超スロー」「床を使って動きを連続」に移ってしまう傾向にあった。「これだけは指導したい内容」の中で「体をひねる」ことが、指導の根幹部分となっていることを、より強調する必要があることが示唆された。
また、学習者が主体的に動きをひろげていく後半の活動において、同じような動きの繰り返しになってしまうという課題が見られた中で、小学校5年生で実践した1人の未熟練指導者が、「にらみ合う」「場所を入れ替わる」等の言葉がけを行ったことにより、児童の動きに変化とひろがりをもたらしていた場面が見られた。この場面で指導者は「2人の戦い」がより面白くなっていくために、主体的にリズムや空間を「くずす」視点を投げかけていたと考えられる。
これらのことから、「これだけは指導したい内容」を「くずし」の視点と関連させて捉えていく方が、より分かりやすく指導しやすくなるのではないかという考えに至った。「2人の戦い」の実践から「これだけは指導したい内容」を再考し、動きの重点が伝わりやすい示し方を新たに提案する。
固有の質感の動きを有する題材として取り上げた「2人の戦い」では、「体をひねる」「すばやく・ストップ・超スロー」「床を使って動きを連続」の3つを「これだけは指導したい内容」として仮説的に捉えて実践した。その結果、熟練指導者は3つを関連させながら指導しようとしていたが、未熟練指導者は3つを関連させながら指導することが難しい傾向にあった。特に未熟練指導者は、「体をひねる」を十分に指導しきれないまま「すばやく・ストップ・超スロー」「床を使って動きを連続」に移ってしまう傾向にあった。「これだけは指導したい内容」の中で「体をひねる」ことが、指導の根幹部分となっていることを、より強調する必要があることが示唆された。
また、学習者が主体的に動きをひろげていく後半の活動において、同じような動きの繰り返しになってしまうという課題が見られた中で、小学校5年生で実践した1人の未熟練指導者が、「にらみ合う」「場所を入れ替わる」等の言葉がけを行ったことにより、児童の動きに変化とひろがりをもたらしていた場面が見られた。この場面で指導者は「2人の戦い」がより面白くなっていくために、主体的にリズムや空間を「くずす」視点を投げかけていたと考えられる。
これらのことから、「これだけは指導したい内容」を「くずし」の視点と関連させて捉えていく方が、より分かりやすく指導しやすくなるのではないかという考えに至った。「2人の戦い」の実践から「これだけは指導したい内容」を再考し、動きの重点が伝わりやすい示し方を新たに提案する。