日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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体育科教育学/口頭発表③

2021年9月9日(木) 11:00 〜 11:45 会場12 (Zoom)

座長:高橋 和子(静岡産業大学)

11:30 〜 11:45

[11 教-口-11] 中学校保健体育におけるダンス領域の変遷と課題

1998(平成10)年・2008(平成20)年・2017(平成29)年の中学校学習指導要領解説における検討

*川﨑 百合香1、柿山 哲治2 (1. 福岡大学大学院 スポーツ健康科学研究科、2. 福岡大学 スポーツ科学部)

 平成20年3月に告示された学習指導要領の改訂により、中学校保健体育の体育分野では、従前において選択単元であった「ダンス」と「武道」を含むすべての領域を第一学年及び第二学年に必修で履修することが示された。ダンス領域では、平成10年の学習指導要領改訂により現代的なリズムのダンスが導入され、現在は創作ダンス、フォークダンス、現代的なリズムのダンスの三つで構成されており、現代的なリズムのダンスの採択率は近年増加傾向にある。
 しかし、先行研究では、保健体育科教員のダンス履修の有無や指導実践の男女差、指導研修や教材研究があまり進んでいないことなどが指摘されており、既存の作品を模倣するだけの授業も少なくないのが現状である。
 また、中学校学習指導要領解説の創作ダンスの例示では、平成20年の改訂において、多様なテーマの例に加え、展開例などが具体的に示されるようになり、平成29年の改訂においても「走るー止まる」、「伸びるー縮む」等の説明が追加されている。
 さらに、フォークダンスでは、平成20年の改訂において、「日本の民謡」、「外国のフォークダンス」のより具体的な曲目や内容が示されるようになり、平成29年の改訂においても「キンニャモニャ」や「リトル・マン・イン・ナ・フィックス(デンマーク)」の追加がされている。
 一方、現代的なリズムのダンスでは、平成20年の改訂において、例示の追加や「ストップモーション」が「ストップ」、「反対の動き」が「対立する動き」などの表現の変更がなされているものの、平成29年の改訂においてはとくに大きな変更や具体例の追加は見当たらない。
 そこで本研究では、ダンス領域における創作ダンス、フォークダンス、現代的なリズムのダンスの平成10年、平成20年、平成29年中学校学習指導要領の変遷を分析し、ダンス授業における今後の課題を明らかにすることを目的とする。