日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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体育社会学/口頭発表②

2021年9月9日(木) 11:00 〜 11:50 会場4 (Zoom)

座長:山田 理恵(鹿屋体育大学)

11:00 〜 11:25

[02 社-口-03] 全国高等学校体育学科・コース連絡協議会及び全国高等学校長協会体育部会の歴史的変遷に関する研究

*日高 裕介1 (1. 早稲田大学大学院スポーツ科学研究科)

 本発表では、高等学校における「体育に関する学科(以下「体育学科・コース」」について理解するために、その統括組織である全国高等学校体育学科・コース連絡協議会(以下「高校体育学科連絡協議会」)、全国高等学校長協会体育部会(以下「高校長協会体育部会」)がどのような特徴を有しながら、歴史的に変遷してきたのかを明らかにすることを目的とする。

 高校の体育学科・コースは、全国に約200校に設置されており、ほとんどの都道府県に1校は設置されている。これまで学校教育を基盤として発展してきた日本スポーツは、教科体育や運動部活動を中心に論じられてきた。しかし、学校法人及び都道府県(市区町村)教育委員会が意図的に設置する場である体育学科・コースについて見ていくことで、教科体育や運動部活動では看過されてきた視点から学校教育とスポーツの関係を捉えることができると考えられる。

 こうした高校の体育学科・コースの理解がどのような意図で設置されてきたのか、そしてどのような展開を意図して現在に至っているのかについて理解するために、本発表では高校体育学科連絡協議会、高校長協会体育部会に着目する。高校体育学科連絡協議会が、1967年に初の総会を開催し、参加校は10校であった。その後、参加校の数を増やしながら1977年から高校長協会体育部会と同じタイミングで総会及び研究会が実施されていく。

 分析に用いる主な資料は、1967年から開催されている高校体育学科連絡協議会及び高校長協会体育部会の総会及び研究会の冊子を用いる。研究会での議題や当時の体育学科・コースへのアンケート調査の結果、決算書などが記載されている冊子である。

 発表当日は、以上の分析結果の詳細を報告し、高校体育学科連絡協議会及び高校長協会体育部会がどのように変遷してきたのかを議論したい。