The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Subdiscipline)

専門領域別 » Sociology

体育社会学/口頭発表④

Thu. Sep 9, 2021 2:25 PM - 3:15 PM Room 4 (Zoom)

Chair: Kazuyuki Kubo (Ryukoku University)

2:25 PM - 2:50 PM

[02 社-口-08] 海外柔道家の柔道参加動機と学習効果

オランダ・ベルギーの柔道家を対象として

*Takahiro Kitamura1, Isamu Nakamura1, Shigeki Maesaka1 (1. National Institute of Fitness and Sports)

はじめに
 中学校における武道必修化には、武道の学習を通じて我が国固有の伝統と⽂化により⼀層触れることができるようにする(⽂部科学省、2008)狙いがあった。その教育効果には教員と生徒との間に若干のギャップはあるものの、一定の評価が得られていることが報告されている(Kitamura et al., 2016:2017;北村ら、2017)。また、欧州の柔道実施者は⽇本の実施者に⽐べて運動そのものに対する関⼼が⾼く、⽇本の伝統⽂化的側⾯よりもスポーツの⼀種⽬として志向していることも⽰唆されている(北村ら、2017)。一方で、武道の国際化、国際的な普及によるいわゆる武道のスポーツ化を危惧する声も聞かれ(日本武道学会、2008)、多様な文化や価値観の中で武道の持つ伝統性と国際化との難しさが指摘されてきた。オリンピック種目でもある柔道は文化的相対主義の潮流の中で、それぞれの国に合った文化の中で変容していくとも言われている(溝口、2016)。
 そこで、オランダ・ベルギーの柔道家の柔道参加動機と柔道による学習効果を、武道のグローバル化・スポーツ化の視点から明らかにすることを目的として本研究に着手した。
方法
 オランダ・ベルギーの柔道家を対象に、2020年12月8日から2020年12月28日にかけてMicrosoft Formsを用いたインターネット調査を行った。調査内容は、個人的属性、柔道実施状況、柔道参加動機、柔道による学習効果、柔道の文化性などである。169名(オランダ130名、ベルギー39名)から回答を得た。
結果
 サンプルの柔道歴は平均31.0年で、84%が有段者(黒帯)であった。柔道を週1回以上実施している者の平均実施頻度は3.2回で、出場経験のある大会は国際大会と回答した者が半数近く(47.9%)に上った。このような海外柔道家の柔道参加動機、柔道による学習効果を検討した。