日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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キーノートレクチャー

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体育心理学/キーノートレクチャー2/運動の制御と学習を支える知覚スキル

2021年9月9日(木) 10:00 〜 11:00 会場5 (Zoom)

司会:関矢 寛史(広島大学)

10:00 〜 11:00

[03 心-レクチャー-2] 運動の制御と学習を支える知覚スキル

*中本 浩揮1 (1. 鹿屋体育大学)

<演者略歴>
東京学芸大学大学院修士課程修了。鹿屋体育大学大学院博士後期課程修了。博士(体育学)。現在、鹿屋体育大学准教授。
 運動の制御と学習は、様々な領域に共通した研究トピックである。特に、卓越した運動パフォーマンスを支える制御メカニズム、あるいは効率的な学習方法の解明は、スポーツ科学において長年の関心事である。本キーノートレクチャーでは、これらについて主に知覚の観点から説明を試みる。前者については、刻々と変化する環境の中で瞬時かつ適切な運動遂行を実現する熟練者の知覚特性を紹介する。具体的には、環境情報を収集する視線行動、環境を予測する知覚スキルに焦点をあてる。後者については、動作観察に基づく運動学習の個人差と動作知覚の関係について紹介する。具体的には、他者の動作知覚によって誘発される運動伝染、および予測誤差によって誘発される運動伝染に焦点をあてる。
 以上の話題を通じて、知覚と運動の強固かつ双方向な影響について理解を深め、スポーツにおける運動制御と学習研究のより学際的なアプローチの必要性について議論する。また、これらを現場に活かすために必要な枠組みについて提案する。