10:42 〜 10:54
[08 測-口-08] 敏捷性と平衡性を複合した新たな転倒回避能力の評価法の考案
反応バランステストの信頼性と妥当性の検討
転倒予防には姿勢が崩れる前に外乱に対して反応し、適切に姿勢を制御する能力が重要である。つまり、敏捷性である外乱に対する素早い反応と平衡性である反応後の姿勢制御能力を用いて転倒回避動作を構築している。しかしながら、これまで、転倒回避能力の評価には単一の転倒関連体力が測定されることが多く、一連の動作で評価されていない。そこで、本研究では新たな転倒回避能力の評価として、敏捷性と平衡性を一連の動作で評価するテスト(以下、反応バランステスト)を考案し、その信頼性と妥当性を検討した。
本研究は基礎的研究と位置づけ、被験者は若年者21名(20.8±0.8歳)とした。①全身反応時間測定(光刺激)、②重心動揺測定(開眼片脚立ち)、③反応バランステストの3項目を測定した。反応バランステストは重心動揺計上で立位姿勢をとり、光刺激後に素早く片脚を挙げ、10秒間の片脚立ち姿勢を保持した。評価変数は①全身反応時間、②COP30(30秒間の重心動揺3変数)、③片脚挙上時間(光刺激発生から片脚を挙上するまでの時間)およびCOP10(10秒間の重心動揺3変数)とした。
片脚挙上時間の級内相関係数(ICC)は利き脚が0.851、非利き脚が0.797で、COP10の総軌跡長のICCは利き脚が0.555、非利き脚が0.756であった。両変数ともICCは全身反応時間(ICC=0.862)とCOP30(ICC=0.771(利き脚)、0.712(非利き脚))と同程度であった。また、片脚挙上時間と全身反応時間(r=0.461(利き脚)、0.618(非利き脚))、COP10とCOP30(r=0.667(利き脚)、0.759(非利き脚))に有意な相関関係がみられた。以上のことから、反応バランステストは信頼性や妥当性がある評価法となり得る可能性が示唆された。
本研究は基礎的研究と位置づけ、被験者は若年者21名(20.8±0.8歳)とした。①全身反応時間測定(光刺激)、②重心動揺測定(開眼片脚立ち)、③反応バランステストの3項目を測定した。反応バランステストは重心動揺計上で立位姿勢をとり、光刺激後に素早く片脚を挙げ、10秒間の片脚立ち姿勢を保持した。評価変数は①全身反応時間、②COP30(30秒間の重心動揺3変数)、③片脚挙上時間(光刺激発生から片脚を挙上するまでの時間)およびCOP10(10秒間の重心動揺3変数)とした。
片脚挙上時間の級内相関係数(ICC)は利き脚が0.851、非利き脚が0.797で、COP10の総軌跡長のICCは利き脚が0.555、非利き脚が0.756であった。両変数ともICCは全身反応時間(ICC=0.862)とCOP30(ICC=0.771(利き脚)、0.712(非利き脚))と同程度であった。また、片脚挙上時間と全身反応時間(r=0.461(利き脚)、0.618(非利き脚))、COP10とCOP30(r=0.667(利き脚)、0.759(非利き脚))に有意な相関関係がみられた。以上のことから、反応バランステストは信頼性や妥当性がある評価法となり得る可能性が示唆された。