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[学校保健体育-C-07] 身体活動を伴う普通教室での授業に対する中学生の所感(発)
学校生活中の座位行動を減らす介入には、「立ち机を導入する(Kidokoro et al., 2019)」「座学授業に身体活動を組み込む(Norris et al., 2020)」等が挙げられる。これらの介入は、身体活動量を増やすだけでなく、疲労感を減少させ、実行機能課題成績を向上させる(田中・野井、2020)。また、授業担当教諭が授業に組み込まれた身体活動に子どもと一緒に参加することが子どもの活動強度に与える影響についても検討されている(Errisuriz et al., 2021)。先行研究は、学校生活中の座位行動を減らすことが子どもの活動量や強度、実行機能課題成績等に与える影響を報告しているものの、参加者の子どもが授業中に身体活動を行うことをどう感じたかは明らかにしていない。そこで本研究では、身体活動を伴う授業に対する中学生の所感を明らかにすることを目的とした。 東京都A中学校の1年生4クラス130名で、そのうち2クラスを対照クラス、2クラスは介入クラスとした。身体活動を伴う授業の実施と調査を行ったのは、2021年3月24日の1〜4限であった。介入クラスの教諭には、「授業中に行う活動は5〜10分間実施し、10分を超えない」よう依頼した。調査は、記名式調査票を用いて、授業前後に普段または今日の「授業中にからだを動かしたり、伸ばしたりしたくなることがあったか」「授業には集中できたか」等を尋ねるとともに、「今日の授業中にあなたのからだと心におこったことや感じたこと」「今日の授業でのクラスの雰囲気について感じたこと」等について自由記述にて回答を求めた。本研究の結果、介入クラスにおいて普段は授業中にからだを動かしたいと感じていたものの、介入授業中には感じなかったと回答する者が多かった。