[本部企画-S1-1] Promoting the Values-Based Education and Sporting Values in Society
Example from JADA’s Clean Sport Education
<演者略歴>
世界アンチ・ドーピング機構 (WADA) Standards & Harmonization マネージャーを経て、現在(公財)日本アンチ・ドーピング機構 (JADA) 教育部部長。WADA教育専門委員会委員。「教育に関する国際基準 (International Standard for Education: ISE) 」及びISEガイドライン策定の委員を務める。英国ラフバラ大学 (Loughborough University) にて政策マネージメント博士号取得。
世界アンチ・ドーピング機構 (WADA) Standards & Harmonization マネージャーを経て、現在(公財)日本アンチ・ドーピング機構 (JADA) 教育部部長。WADA教育専門委員会委員。「教育に関する国際基準 (International Standard for Education: ISE) 」及びISEガイドライン策定の委員を務める。英国ラフバラ大学 (Loughborough University) にて政策マネージメント博士号取得。
本発表では、全世界・全スポーツの統一のルールである「世界アンチ・ドーピング規程(以下、Code)」及びCodeに付随し義務事項である8つの国際基準における「教育に関する国際基準 (International Standard for Education: ISE) 」の国際的なルールを基にする。本発表では、主として以下を紹介する。
1)2021年版Code (以下、2021Code)及びISEの目的と概略
2)2021Code/ISEに準拠した日本での体制づくり
3)価値を基盤とした教育推進のねらい、今後の展望
2003年版Codeが2004年アテネ・オリンピック直前に施行されてから、Codeはグローバルなスポーツやアンチ・ドーピング規則違反の状況等を鑑み、3回の改訂がされている。2003Codeから教育に関しては世界規程内に提示され、その重要性はアンチ・ドーピング機構(Anti-Doping Organization: ADO)が認識し実施してきたが、国際基準は存在しなかったことで、共通見解を得ることができなかった。国際連合教育科学文化機関(UNESCO)が2007年2月1日に「スポーツにおけるドーピングの防止に関する国際規約 (International Convention against Doping in Sport)」を発効し、Codeにおける政府の位置づけ、教育や研修に関する締約国の役割等を明確にした。
2021年1月に施行したISEでは、「教育 (Education)」を定義すると共に、ISEにおける固有の定義を明示、660以上のCodeの署名当事者(国際オリンピック委員会、国際競技連盟等含む)が共通の言語で教育を推進し、準拠すべき原則を提示した。教育とは、「スポーツの精神を育成し保護する価値観を浸透させ、かかる行為を発展させ、また、意図的及び意図的ではないドーピングを予防するための、学習の過程をいう」と定義し、価値を基盤とした教育、啓発、情報提供、アンチ・ドーピング教育といった教育の4要素を組み込んだ、教育プログラムを推進することを要請している。日本で2021Code/ISEの施行のため、「スポーツの精神を育成し保護する価値観を浸透させ」るための教育体制・プログラムづくりを紹介し、世界的にクリーンでフェアなスポーツ環境を守り創っていくための、価値を基盤とした教育の今後の方向性を紹介する。
1)2021年版Code (以下、2021Code)及びISEの目的と概略
2)2021Code/ISEに準拠した日本での体制づくり
3)価値を基盤とした教育推進のねらい、今後の展望
2003年版Codeが2004年アテネ・オリンピック直前に施行されてから、Codeはグローバルなスポーツやアンチ・ドーピング規則違反の状況等を鑑み、3回の改訂がされている。2003Codeから教育に関しては世界規程内に提示され、その重要性はアンチ・ドーピング機構(Anti-Doping Organization: ADO)が認識し実施してきたが、国際基準は存在しなかったことで、共通見解を得ることができなかった。国際連合教育科学文化機関(UNESCO)が2007年2月1日に「スポーツにおけるドーピングの防止に関する国際規約 (International Convention against Doping in Sport)」を発効し、Codeにおける政府の位置づけ、教育や研修に関する締約国の役割等を明確にした。
2021年1月に施行したISEでは、「教育 (Education)」を定義すると共に、ISEにおける固有の定義を明示、660以上のCodeの署名当事者(国際オリンピック委員会、国際競技連盟等含む)が共通の言語で教育を推進し、準拠すべき原則を提示した。教育とは、「スポーツの精神を育成し保護する価値観を浸透させ、かかる行為を発展させ、また、意図的及び意図的ではないドーピングを予防するための、学習の過程をいう」と定義し、価値を基盤とした教育、啓発、情報提供、アンチ・ドーピング教育といった教育の4要素を組み込んだ、教育プログラムを推進することを要請している。日本で2021Code/ISEの施行のため、「スポーツの精神を育成し保護する価値観を浸透させ」るための教育体制・プログラムづくりを紹介し、世界的にクリーンでフェアなスポーツ環境を守り創っていくための、価値を基盤とした教育の今後の方向性を紹介する。