The 73rd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Theme)

健康福祉研究部会 » 【課題A】健康増進につながる体力・運動の在り方をいかに考えるか

健康福祉研究部会【課題A】口頭発表①

Wed. Aug 30, 2023 10:20 AM - 11:04 AM RY301 (良心館3階RY301番教室)

Chair: Takashi Otsuka

10:50 AM - 11:04 AM

[健康福祉-A-03] フィットネスプログラムへの参加継続を促す指導の質的研究(介)

インストラクターの声かけの事例から

*Maki Ito1 (1. Shizuoka Sangyo University)

本研究の目的は、フィットネスプログラムへの参加継続を促す指導を質的に分析し、参加者の運動の動機づけや継続化に対するインストラクターの関わり方や、フィットネスプログラムにおける指導の特徴を明らかにすることである。健康増進や体力向上の効果を高めるためには継続的な運動の実施が効果的ではあるものの、継続を断念する場合も多くみられる。運動の動機づけと継続化には、「運動に対する興味、目標、効果」「余暇」「運動施設」「指導者や集団での人間関係」に加え、「楽しさ、高揚感」といったものの必要性が明らかになっている。また、運動を継続するためには社会的支援(ソーシャル・サポート)の果たす役割も大きく、サポートの内容は「手段的サポート」と「情緒的サポート」の2つに大別されている。
そこで、毎週継続したフィットネスプログラムを指導する熟練のインストラクター(指導年数5年以上)10名にアンケートを実施した。フィットネスプログラムの参加者に対し、レッスンへの参加を継続させるための働きかけの有無、またその働きかけの内容を自由記述式アンケートで回収、質的分析方法であるSCATを用いて分析した。
その結果、全てのインストラクターが参加継続を促す目的の声かけや指導を実施していた。抽出された概念「プログラムによる効果の説明」「継続による効果の説明」「参加者に合わせた指導」「発展的指導」は手段的なサポートとして、「積極的なコミュニケーション」「変化を自覚させる指導」「心理的障害を取り除く」「参加者を受け入れる態度」といった概念は情緒的サポートとして分類できるものであった。運動を継続している参加者を指導しているインストラクターは、運動の動機づけと継続化を促す手段的・情緒的サポートを実現しており、指導の具体的な内容の考察からは、さまざまな運動経験者の集まるレッスンでの指導の特性も明らかとなった。