日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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競技スポーツ研究部会 » 【課題A】トップアスリート養成をいかに効果的に行うか

競技スポーツ研究部会【課題A】口頭発表①

2023年8月30日(水) 10:20 〜 11:19 RYB1 (良心館地下1階RYB1番教室)

座長:須甲 理生(日本女子体育大学)

10:20 〜 10:34

[競技スポーツ-A-01] 大学生球技系スポーツチームにおける選手間のマウンティング(コーチング)

アンケート調査により収集した選手の実体験について

*湯浅 暁子1、中山 雅雄1、秋山 央1、門間 貴史1 (1. 筑波大学体育系)

インターネット空間を中心に「マウンティング女子」という言葉が注目を集めている。人間同士の関係の中で自らの立ち位置が上であることを確認したいために、言葉や態度で優位性を誇示する現象を、主に霊長類に見られる序列確認の行為”マウンティング”になぞらえた用語である。「マウンティング」という言葉が最初に誌面に載ることになった2014年(瀧波ユカリ・犬山紙子著『女は笑顔で殴りあう マウンティング女子の実態』筑摩書房)以降、ネット掲示板やSNSをおいて中高生や若者を中心に認知度が高まり、今日においてはマウンティング女子やカースト女子などを取り上げた書籍やテレビドラマ、Webコンテンツなどが散見されるようになってきた。このように社会的関心が高まっているにも関わらず、その実態や構造は未だ解明されていない部分が多く、アンケート調査やアクションリサーチなどは行われていないのが現状である。
 アスリートの序列を決定づける最たる指標は心技体知の総合力としての競技力であることは言うまでもないが、選手たちはチーム内の人間関係の中で様々な序列争いに奔走している可能性がある。しかしながらアスリート同士のマウンティング事例を対象にした研究は例がないため、現状それらを評価する指標などは存在しておらず、チームワークや凝集性に与える影響については未知である。そのため国内大学スポーツチームにおける実態を明らかにし、その様相について検討する必要がある。そうして得られた結果は今後の集団スポーツ指導のためのコーチング研究や行動社会学研究の発展において意義あるものであると考えられる。今回は大学生球技系スポーツチームに所属するアスリートを対象に、自身の「マウンティング」に関する実体験を自由記述回答により抽出し、整理した内容を発表する。