The 73rd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Theme)

競技スポーツ研究部会 » 【課題C】ハイパフォーマンススポーツ(トップレベルの競技スポーツ)におけるトレーニングをいかに効果的に行うか

競技スポーツ研究部会【課題C】口頭発表②

Wed. Aug 30, 2023 10:20 AM - 11:19 AM RY107 (良心館1階RY107番教室)

Chair: Seita Kuki

10:35 AM - 10:49 AM

[競技スポーツ-C-06] カヌースプリント選手を対象としたランダム化比較試験を用いたトレーニングプログラム運用の試み(生)

自転車エルゴメーターを用いたスプリントインターバルトレーニングでの実践

*Hiroki Homma1, Yukina Mochizuki1, Sayaka Kikuchi1, Naoki Kikuchi1 (1. Nippon Sport Science University)

【背景】競技力向上には選手自身がメニューの目的や必要性を理解して主体的に練習に取り組めているかが重要となる。【目的】ランダム化比較試験を取り入れたトレーニングプログラムが、その後の練習メニューの選択および意識変化に与える影響を検討する。【方法】対象者はカヌースプリント選手44名(男性:41名、女性:5名)とした。対象のトレーニングは、週2回3週間の計6回の自転車エルゴメーターを用いたスプリントインターバルトレーニング(SIT)を実施した。SITは30秒(体重の7.5%負荷)運動、270秒休息を3回繰り返す30秒運動群(30S)および6秒(体重の10%負荷)運動、30秒休息を6回繰り返し、2セット(セット間休息240秒)行う6秒運動群(6S)の2群とし最初のサイクルはランダムに割り振った。トレーニング前後に、ウインゲートテスト、ピークパワーテスト、オールアウトテストおよび脚伸展パワーの測定を実施した。トレーニング後には、各トレーニングの効果についてのフィードバックを行い、次サイクルからのトレーニングを自由に選択させた。【結果】トレーニング後のフィードバックの結果、30S群から6Sに変更した対象者は6名(27%)、6Sから30Sに変更した対象者は12名(55%)であった。選択理由の一例として、6Sを実施した対象者は、ピークパワーテストにおいてピークパワーが674Wから781Wに向上し、トレーニングによって「より早く力が出せるようになった」との内省報告があった。さらに、「トップスピードを維持する能力がない」と分析を行い、ウインゲートテストの平均パワーおよびオールアウトテストの時間において変化量の大きかった30Sを選択した。【結論】トレーニングプログラムにランダム化比較試験を取り入れ、トレーニング効果をフィードバックすることで、必要とするトレーニングを自ら選択できる可能性がある。