日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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競技スポーツ研究部会 » 【課題C】ハイパフォーマンススポーツ(トップレベルの競技スポーツ)におけるトレーニングをいかに効果的に行うか

競技スポーツ研究部会【課題C】口頭発表④

2023年8月30日(水) 11:25 〜 12:24 RY107 (良心館1階RY107番教室)

座長:徐 広孝(静岡産業大学)

12:10 〜 12:24

[競技スポーツ-C-16] 東京2020バドミントン競技男女シングルスにおける試合序盤のサービス権に着目した勝利ゲームの傾向(方)

*松本 剛志1、大徳 紘也1、大石 健二2 (1. 日本体育大学大学院、2. 日本体育大学)

渡邉と髙橋(2008)は、バドミントン競技の特性として試合終盤での逆転が困難であると報告している。東京オリンピック2020におけるバドミントン競技男女シングルスは、8点先取時で勝率が80%を超える結果であり、試合終盤での逆転が困難であると明らかになった(松本ら、2022)。東京オリンピック2020では、男女シングルスともに、8点目を先取するための戦術が重要である可能性が推察される。試合序盤の戦術に関して蘭(2014)は、ロンドンオリンピックにおいてサービス権を持っている方の得点率が高いと報告している。このことから、東京2020オリンピックにおいてゲーム開始時にサービス権を獲得することで8点目を先取できるのではないかと推察した。そこで本研究の目的は、東京2020オリンピックのオープンデータから8点目を先取するための試合序盤の戦術とゲーム開始前サービス権の有効性を明らかにすることで、指導者が試合序盤の戦術を組み立てる際の一助となる知見を得ることを目的とした。
 対象試合は、東京2020オリンピック男子シングルスの54試合、女子シングルスの57試合とした。本研究は公式サイトからデータを取得し、分析項目は得点経過とサービス権の有無とした。
 東京オリンピック2020の男子シングルスにおける8点先取時のサービス権の有無の結果は、116ゲーム中85ゲームでサービス権を獲得している結果であった。女子シングルスは、121ゲーム中97ゲームでサービス権を獲得している結果であった。世界バドミントン選手権では、ゲーム開始前のサービス権を獲得している方が男子は6点、女子は7点を先取していると報告している(松本ら、2022)。本研究は、先行研究を支持する結果であり東京2020オリンピックの男女シングルスでゲーム開始前のサービス権を獲得することで8点目を先取する可能性が示唆された。