日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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学校保健体育研究部会 » 【課題C】体育・スポーツ健康科学は学校保健体育の進展にいかに貢献できるか

学校保健体育研究部会【課題C】口頭発表④

2023年8月31日(木) 09:00 〜 09:59 RY206 (良心館2階RY206番教室)

座長:松田 恵示(立教大学)

09:00 〜 09:14

[学校保健体育-C-13] 高校生のレジリエンスを高める体育授業内での ソーシャルサポートの探索(保)

*西澤 秀馬1、浅沼 徹2 (1. 京都教育大学教職大学院、2. 京都教育大学体育学科)

現代社会の多様化や急激な変化によって、様々な場面でストレスを感じることが増えている。このような状況下でメンタルヘルスは大きな関心を持たれる存在となっている。 近年、メンタルヘルスの維持・回復に関する概念として、レジリエンスが注目されている。 レジリエンスを高める要因として、先行研究からソーシャルサポートが指摘されている。また、類似概念である首尾一貫感覚について、小学生男児において運動スポーツ実施期間の長さが正の関連を示したことが報告されている。 以上から、ソーシャルサポートを活用した体育授業により、レジリエンスの向上が期待できるものと考えられる。本研究では、高校生における体育授業内でのソーシャルサポートの受領や提供がレジリエンスの向上に寄与するか検証するとともに、体育授業で活用可能なソーシャルサポートの具体的な内容を探索することを目的とした。 2022年10月に近畿圏の国立大学の附属高等学校の1・2年生を対象として、無記名自記式質問紙調査を実施した。調査項目は、①ソーシャルサポート尺度(先生と仲間からの情緒的・手段的サポート、仲間への情緒的・手段的サポート)・②体育へのコミットメント尺度(内発的コミットメント・外発的コミットメント)・③スポーツが好きか否か・④レジリエンス尺度(肯定的未来志向、新奇性追求、感情調整)・⑤基本属性を尋ねた。回答が完全であった277名(有効回答率86.5%)について重回帰分析を実施した。 その結果、ソーシャルサポートが間接的、直接的にレジリエンスを高めることが明らかとなった。また、レジリエンスを高める具体的なサポート内容としては、「仲間のことをよく理解している」「仲間が技術面でわからないことを教える」「仲間は技術面でわからないことを教えてくれる」「先生はあなたのことをよく理解してくれる」などが示された。