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[健康福祉-C-04] 子どもの良好な生体リズムのための必要受光時間の検討(発)
日常生活環境下の受光とメラトニン分泌パタンとの関連を基に
目的:日本では、子どもの睡眠状況の悪化が問題視されている。他方、日中の受光はメラトニンリズムの位相を前進させ、夜間のメラトニン分泌量も増加させることが報告されている。しかし、健康睡眠習慣のための具体的な必要受光時間は検討されていない。そこで本研究では、子どもの日常生活環境下における受光とメラトニン分泌パタンとの関連を検討し、良好な生体リズムのための必要受光時間を明らかにすることを目的とした。方法:対象は東京都内A小学校の小学5年生91名であり、分析には欠損値がない56名分のデータを使用した。調査は2022年10月15~24日に実施された。調査項目は受光量、メラトニン分泌パタン、就床時刻、起床時刻、睡眠時間であった。受光量は携帯型照度計(オムロン社、2JCIE-BL01)を用いて起床直後から就床直前まで5分間ごとに測定した。メラトニン分泌パタンはNoi and Shikano(2011)に倣って水曜日の夜(21:30)とその翌朝(6:30)に唾液を採取して唾液メラトニン濃度を測定した。就床時刻、起床時刻は自作の健康記録シートを用いて対象者自身が記録し、睡眠時間も算出した。分析では夜のメラトニン濃度>翌朝のメラトニン濃度の者を朝型、翌朝のメラトニン濃度>夜のメラトニン濃度の者を夜型とした上で、独立変数に1日の屋外光(1,000lux)受光時間、従属変数にメラトニン分泌パタンの朝型、夜型を投入したROC曲線を作製し、Youden indexを用いてカットオフ値を同定した。結果:本研究の結果、メラトニン分泌パタンの朝型、夜型を判定するのに有効な屋外光受光時間のカットオフ値は113.3分間を示した(感度:0.300、特異度:0.054、AUC:0.533、95%CI=0.357-0.709)。付記:本研究は2022-26年度科研費(基盤B)(研究代表者:野井真吾)の助成を受けて実施された。