The 73rd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Theme)

健康福祉研究部会 » 【課題C】運動不足(不活動)に伴う心身機能の低下をいかに予防するか

健康福祉研究部会【課題C】口頭発表②

Thu. Aug 31, 2023 1:30 PM - 2:14 PM RY302 (良心館3階RY302番教室)

Chair: Keisuke Koizumi

2:00 PM - 2:14 PM

[健康福祉-C-07] インソール装着歩行は高齢者の転倒予防支援に貢献するのか?(介,方,機器開発,発明)

歩容と足底圧変化の事例

*Ken Yamauchi1, Tsutomu Ichikawa2, Akira Ogita3, Hironori Yoshida4, Hiromichi Hasegawa1 (1. Institute of Physical Education, Keio University, 2. Matsuyama Shinonome Junior College, 3. Osaka Metropolitan University, 4. Ashikaga University)

【緒言】近年の疫学研究において、歩行機能低下による転倒は、健康関連QOL阻害やADL低下、要介護因子増大等のトリガーとなる重要問題であり、易転倒素因および予防法の探究が切望される。本研究はインソール装着による歩容の調整戦略を考案するパイロット研究である。
【目的】インソール装着使途は、靴の機能性向上、足病変緩和の体験価値的報告や歩行能力改善等の解剖学的助言がある。従って歩行虚弱化予防や支援となる物理的かつ補助的調整戦略の処方を予見させる。本研究の目的は、インソール着用による歩容習練に如何なるトレーナビリティーが潜在するかの検証である。
【方法】研究実施前に目的、方法と分析実施の同意を得た被験者8名(73.6±6.4歳)は、ランプ目視の直立姿勢から発光認識直後に素早い反応で直線歩行を開始する(歩行企図)。その後7m先で折り返す快適歩行を1試行する。計測項目は往路の歩行企図から初動3歩(一歩目を初歩)、復路の中間6歩(約2~6m区間)の歩幅、歩調、速度である。歩容はドローン映像から単眼計測法で算出する。インソール装着効果の分析内容は、① 未装着条件(日常履き慣れた靴)と装着で15分程度の繰り返し10m障害物歩行介入後に脱着して未装着と同等条件にした歩容をt検定で暴露、② 上述2条件実施前の立位足底圧を計測する。③ その他インソール体験の内省である。
【結果】初歩の歩幅(p<.05)、および6歩平均の歩幅(p<.05)、速度と歩調(p<.1)に有意な増幅を認めた。足底圧の動態変化は左右差が縮小、前後に拡張、かつ各々で均等化した。装着後に「靴の密着と踵着床感覚が増す」の回答を得た。
【考察】インソール着用介入による変化は、歩行姿勢の特別な技術コーチング無しでも誘発する受動的現象であり、自発的に歩くだけの運動処方プログラムに装着を加える習練支援の有効性を示唆する結果と考えられる。