[生涯スポーツ-SC-2] スポーツ政策における「エビデンスに基づく政策立案」の実践と課題
英国の事例
<演者略歴>
博士(社会学) 一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程を修了後、筑波大学体育系(TIAS)助教を経て現職。専門はスポーツ社会学、スポーツ政策論。主な研究テーマは、1)戦後の英国におけるスポーツ政策と社会統合、2)ロンドン2012大会を対象としたオリンピック・パラリンピックの<レガシー>に関する研究。
博士(社会学) 一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程を修了後、筑波大学体育系(TIAS)助教を経て現職。専門はスポーツ社会学、スポーツ政策論。主な研究テーマは、1)戦後の英国におけるスポーツ政策と社会統合、2)ロンドン2012大会を対象としたオリンピック・パラリンピックの<レガシー>に関する研究。
近年、日本では「エビデンスに基づく政策立案(Evidence-Based Policy Making: EBPM)」が政策領域や国・地方自治体のレベルを問わず、推進されている。スポーツ政策の領域においても2020年6月に出された日本学術会議による提言『科学的エビデンスを主体としたスポーツの在り方』に代表されるように、EBPMをより積極的に活用していこうという動きがみられる。本発表の対象である英国は、EBPMの活用において「先進国」であると言われている。英国では、1997年に誕生したブレア労働党政権が政府の「現代化」を掲げる中で、EBPMという考え方が積極的に導入されていった。スポーツ政策もその例外ではなく、英国のスポーツ担当省である文化・メディア・スポーツ省や関連する政府系機関、競技団体、および各自治体で、EBPMに基づく政策運営が目指されてきた。また、その展開においては、政策形成・評価のためのフレームワークづくりやエビデンスの提供などの形で研究者が貢献してきた。本発表では、2000年代以降の英国におけるEBPMに基づくスポーツ政策の展開について概説しながら、その中で研究者が果たしてきた役割や研究者によって指摘されている課題について考察する。