日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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生涯スポーツ研究部会 » 【課題C】人生100年時代に向けていかに人々のスポーツ権を保障するか

生涯スポーツ研究部会【課題C】口頭発表①

2023年8月31日(木) 09:00 〜 09:44 RY201 (良心館2階RY201番教室)

座長:中野 貴博(中京大学)

09:00 〜 09:14

[生涯スポーツ-C-01] 中学生サッカー選手におけるスポーツ専門化の実態について(測,発,生)

*永野 康治1、笹木 正悟2 (1. 日本女子体育大学、2. 東海大学)

【はじめに・目的】サッカーは習い事の増加など、幼少期から競技を開始する環境が整いつつある。一方で、競技の早期専門化がスポーツ障害の発生につながると報告されており、その影響が危惧されている。そこで、本邦の中学生サッカー選手におけるスポーツ専門化の実態を明らかにすることを本研究の目的とした。
【方法】中学2、3年生の男子サッカー選手を対象とし、保護者より専門化状況(サッカーの年間活動月数、サッカーの重視度、他のスポーツの実施状況)、週間活動日数、サッカー開始年齢、小学生4~6年時の専門化状況について、Webを通じて各学年200名の計400名から回答を得た。回答結果よりスポーツ専門化度(0・1[低], 2[中], 3[高])を算出した。週間活動日数について、専門化度の群間比較を一元配置分散分析および多重比較検定を用いて行った。有意水準は0.05とした。
【結果】専門化度は高が53.8%、中が32.3%、低が14.0%であった。年間活動月数は12ヶ月が81.5%であった。サッカーの開始時期は平均8.3±2.8年、競技歴がサッカーのみであったのは29%、他競技を同時に継続しているのは26%であった。専門化度が高である群は中および低群より有意に週間活動日数が多かった(高: 4.6±1.2日, 中: 4.1±1.5日, 低: 3.8±1.7日)(いずれもp<0.01)。小学生4~6年時の専門化度は、高が40.3%、中が29.8%、低が14.5%であった
【考察】本邦の中学生サッカー選手のスポーツ専門化度は、欧米の中高生より高である割合が高く、早期専門化の傾向が認められた。また、小学生年代からもその傾向が認められた。障害予防のために運動量の調整や、他スポーツの機会を得るなどの方策が必要と考えられた。