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[学校保健体育-C-09] 中学生が思う中学校体育に対する嫌悪感特性(測)
体育授業に対する好嫌度との関連
本研究は、中学生を対象に、中学校体育に対する嫌悪感特性を明らかにし、性差および体育授業の好嫌度との関連を明らかにすることを目的とした。対象はG県の公立中学校に在籍する中学2年および3年生288名(男子149名、女子139名)であった。調査方法は、先行研究より体育嫌いの生起にかかわると考えられる諸要因を抽出し、5要因(運動意欲、自己の能力の低さ、比較・評価、指導者への不信感および授業に対する嫌悪感)77項目で構成される質問紙を用いて、調査を実施した。そして、中学校体育に対する嫌悪感に関する因子構造を検討するため、因子分析(斜交回転プロマックス法)を適用し、全因子得点を算出した。また、体育授業に対する嫌悪感特性の性差および体育授業の好嫌度による違いを検討するため、二要因分散分析(性×好嫌度)を適用した。因子分析の結果より、7因子(運動劣等感、教師の指導方略、スキル獲得能力、非難体験、運動環境、失敗への羞恥心および他者評価)が抽出された(累積寄与率:50.69%)。二要因分散分析の結果より、スキル獲得能力因子において性および体育授業の好嫌度に有意な交互作用が認められた。性別においては、運動劣等感、スキル獲得能力および他者評価の3因子に有意な主効果が認められ、女子は男子よりも自己の運動能力に対して否定的な感情を抱いていて、周りからの評価に対して特に嫌悪感を抱くことが示唆された。体育授業の好嫌度においては7因子中6因子に有意な主効果が認められた。失敗への羞恥心因子を除く6因子において体育授業への愛好的態度の低い者が高い得点を示したことから、愛好的態度が低い者は、授業場面での成功体験の少なさから運動劣等感を抱いたり、教師の指導に対して否定的感情を抱いたり、動きを体現する難しさによる課題の不達成に対して嫌悪感を抱いたりと、体育授業の様々な要因に対して嫌悪感を抱きやすいことが示唆された。