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[学校保健体育-C-18] 器械運動領域で取り扱われる技や動きに対する認識に関する研究(教,方)
側方倒立回転についての素朴概念の実態
本研究の目的は、小学校・中学校・高等学校体育科の器械運動領域で取り扱われる技や動きに対する認識の実態を明らかにすることである。本発表ではその研究の一部として、「側方倒立回転」を取り上げた調査についての結果、および調査結果に基づく課題分析を報告する。学習者は学習を始める以前から身に付けている日常生活において経験的に獲得した知識を持っており、そのような知識は素朴概念や誤概念とも呼ばれている。教師にとって学習者が身に付けているそれらの概念を把握することは、授業構想や学習効果の促進という点から重要であり、時には学習者が身に付けている概念を破棄・修正することが求められる(小林,2018)。しかし、多くの人が大人になっても、ある領域の素朴概念を保持し続けることがあるという指摘もある(宮本,2017)。つまり、学習者だけでなく教師自身が間違った概念を身に付けている可能性もあり、その場合には教師側の誤った概念が学習者の学習の妨げになることも考えられる。器械運動領域の指導に関しては、他の領域と比べても特に苦手意識を持っている教員が多いことが報告されている(髙橋,2016;小島,2020;小島ほか,2021)。その要因としては、授業で取り扱う技や動きの正しい形を理解していない、あるいは正しい指導方法が分からない等の意見が見られる(水島,2006;小島ほか,2021)。しかし、器械運動領域の指導が困難であるという認識を多くの教員が持っている一方で、そこで取り扱われる技や動きに対して教員が正しい知識を有しているのか否かについては、その実態が十分に把握されているとは言い難い。このような問題意識のもと、本研究では「側方倒立回転」についての認識の実態を明らかにするべく、教職を志望する学生に対する調査を行った。調査から得たれたデータについては抄録提出時点で分析中であるため、詳細については発表時に報告する。