The 73rd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Subdiscipline)

専門領域別 » 介護予防・健康づくり

介護予防・健康づくり/口頭発表①

Fri. Sep 1, 2023 9:20 AM - 10:07 AM RY301 (良心館3階RY301番教室)

Chair: Taishi Tsuji

9:20 AM - 9:35 AM

[14介-口-01] 高齢者の体力変化について

10年間の縦断的観察研究

*Misaka Kimura1, Yosuke Yamada2, Hiromi Shinno1, Tsukasa Yoshida2, Yuya Watanabe3, Masaki Takimoto1, Yoshiko Aoki4, Kazufumi Hirakawa5 (1. Kyoto University of Advanced Science, 2. National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition, 3. Biwako Seikei Sport College, 4. Bukkyo University, 5. Kobe University)

目的 本研究では、地域の住民を対象に、毎年実施されている体力測定会に参加する高齢者で、初回時と10年目の測定値を有する者について、10年間の体力の推移を検討することを目的とした。 方法 2002年から2019年までに、毎年実施された体力測定会の参加者で、初回時と10年目のデータのある男性57名、女性110名を対象とし、体格・体力を、初回時と10年目で比較した。性差は独立変数のTテスト、年齢群間差は分散分析法、初回時・10年目の差は対応のあるTテストで検定した。また、初回時・10年目の平均値から10年間の減少率を算出した。 結果 体力は多くの項目で性差が認められた。体前屈は女性が男性を上回ったが、他の体力値は男性が女性を上回った。年齢群間差が有意であったのは握力、垂直跳び、脚筋力で、女性ではこれにSSTwや歩行速度が加わった。初回時・10年目の平均値の比較では、全対象者で見ると、歩調以外の全ての項目に有意差が認められた。チェアスタンドと脚筋力は10年目の値が上昇していたが、他の項目は減少していた。減少率は、閉眼・開眼片脚立ち、垂直跳び、握力で大きかった。10年間の推移は、年齢階級によっても異なっていた。 結論 体力測定会に参加する地域高齢者を対象に、10年間の体力の推移を検討した所、多くの体力項目が低下する中、下肢筋力系(チェアスタンド、脚筋力)の項目には10年後に向上が見られた。これには、対象集団の特性(健康意識の高さ)が関連していると考えられ、このような対象者の生活様式を観察することで、健康寿命延伸のための要因を探ることが可能と考える。しかし、バランス能(開眼・閉眼片脚立ち)や垂直跳び、握力の低下は、どの年齢群においても低下が認められたのは興味深く、運動習慣や運動様式との関係など、今後の課題である。