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[14介-口-02] 鹿児島県農村地域における高齢者の日常生活や健康状態の実態調査
鹿児島県X市は、鹿児島県東部に位置する畜産や畑作が盛んな農村地域である。高齢化率をみると、令和2年には40%を超えており、鹿児島県の中でも少子高齢化が進んだ地域といえる。また、高齢化の進行に伴い、介護にかかわる様々な問題が発生することが懸念される。そこで、介護予防・健康づくりの施策をさらに推進する必要があるが、地域の実情を踏まえた対策が重要であろう。そこで本研究では、X市在住高齢者を対象とした生活背景(日常生活、食事、生活環境)および健康状態の実態を調査・分析し、健康状態に影響を及ぼす要因を明らかにするとともに、X市の健康課題について検討した。本調査の特徴は、対象者の自宅を訪問し、対面にて聞き取り調査を実施した点である。 対象者は、X市職員が無作為に抽出したX市在住の65~84歳の高齢者400名であった。400名に事前に訪問調査の依頼書および調査用紙を送付し、訪問を拒否した者21名を除く379名の自宅を訪問し、調査用紙を回収した。調査項目は、基本属性、生活状況、健康状態、食事、身体機能・身体活動であった。 その結果、家計にゆとりがある群は、家計にゆとりがない群と比較して、主観的な健康状態が良い者が有意に多く、生活に満足している者も有意に多かったことから、経済状況が主観的健康観や生活満足度に影響することが示唆された。今後は、家計状況と身体機能の関連性を検討する必要があるかもしれない。また、後期高齢者は前期高齢者と比較して運動習慣がある者の割合が有意に高かった一方、健康診断未受診の者の割合も有意に高かった。前期高齢者においては、なるべく早い段階で運動を習慣化させるような対策を講じ、フレイルやサルコペニア等を予防する必要がある。後期高齢者では、加齢とともに様々な疾患の発症リスクが高くなることを考慮し、健康診断の受診を促す取り組みが必要であろう。