15:10 〜 15:35
[15政-口-04] 大学生陸上競技アスリートにおける他者提供の飲食物摂取状況及び 他者との薬共有の実態把握
アンチ・ドーピングの観点における一考察
背景
アスリートは、アンチ・ドーピング規則に基づき体内に摂取するもの全てに責任を持つ責務がある。これまで飲食物に禁止物質が混入していたことによる規則違反が生じている。しかし、他者から提供された飲食物(手作りを含む差し入れ等)を疑いなく口にしたり、他人と薬(鎮痛薬、目薬や湿布等)を共有しているケースも考えられるが、陸上競技アスリートにおいてこれらの実態は十分に明らかにされていない。
目的
大学生陸上競技アスリートを対象に、他者から提供された飲食物の摂取状況、他者との薬の共有状況について、競技レベル別に明らかにすることを目的とした。
方法
対象者は大学生陸上競技アスリートで、競技レベルは全国未満116名、全国以上44名(Mage=19.3±1.09歳)であった。2つの設問、①他者からもらった飲食物は口にしないようにしている、②他人と共有して薬を使用している、に対し「1全く当てはまらない」〜「6非常によく当てはまる」への回答を求め、競技レベル間の得点を比較した(Mann–Whitney U検定)。
結果
①他者から提供された飲食物の摂取状況に関しては、全国未満(2.5±1.3点)と全国以上(2.5±1.2点)との間に有意差はなく、全国以上及び全国未満はいずれも77〜78%が3点(どちらかといえば当てはまらない)以下の回答割合であった。②他人との薬の共有については、全国未満(1.9±1.2点)と全国以上(2.1±1.5点)との間に有意差はなく、4点(どちらかといえば当てはまる)以上の回答割合は全国未満14.7%、全国以上22.7%であった。
考察・結論
大学生陸上競技アスリートは、飲食物の摂取及び他者との薬共有には競技レベル間で差はみられず、全国以上の約8割は他者提供の飲食物を摂取していた。これらのことから、特にドーピング検査対応可能性がある全国以上に対し危機管理行動を促す教育の必要性が示唆された。
アスリートは、アンチ・ドーピング規則に基づき体内に摂取するもの全てに責任を持つ責務がある。これまで飲食物に禁止物質が混入していたことによる規則違反が生じている。しかし、他者から提供された飲食物(手作りを含む差し入れ等)を疑いなく口にしたり、他人と薬(鎮痛薬、目薬や湿布等)を共有しているケースも考えられるが、陸上競技アスリートにおいてこれらの実態は十分に明らかにされていない。
目的
大学生陸上競技アスリートを対象に、他者から提供された飲食物の摂取状況、他者との薬の共有状況について、競技レベル別に明らかにすることを目的とした。
方法
対象者は大学生陸上競技アスリートで、競技レベルは全国未満116名、全国以上44名(Mage=19.3±1.09歳)であった。2つの設問、①他者からもらった飲食物は口にしないようにしている、②他人と共有して薬を使用している、に対し「1全く当てはまらない」〜「6非常によく当てはまる」への回答を求め、競技レベル間の得点を比較した(Mann–Whitney U検定)。
結果
①他者から提供された飲食物の摂取状況に関しては、全国未満(2.5±1.3点)と全国以上(2.5±1.2点)との間に有意差はなく、全国以上及び全国未満はいずれも77〜78%が3点(どちらかといえば当てはまらない)以下の回答割合であった。②他人との薬の共有については、全国未満(1.9±1.2点)と全国以上(2.1±1.5点)との間に有意差はなく、4点(どちらかといえば当てはまる)以上の回答割合は全国未満14.7%、全国以上22.7%であった。
考察・結論
大学生陸上競技アスリートは、飲食物の摂取及び他者との薬共有には競技レベル間で差はみられず、全国以上の約8割は他者提供の飲食物を摂取していた。これらのことから、特にドーピング検査対応可能性がある全国以上に対し危機管理行動を促す教育の必要性が示唆された。