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[15政-口-06] フランス2024パリオリンピック法における腐敗防止対策と日本への示唆
オリンピックをめぐる不正はなくなることはなく、2016リオデジャネイロ大会や2020東京大会においても賄賂や横領などの重大な問題が生じた。本研究は、このようなスポーツの価値や精神を毀損するオリンピックにおける不正、腐敗という重大で危機的な問題に対してより実効的な対策や法制度の構築に向けた研究を行う必要があると考えた。特にフランスにおいては、2024年のパリオリンピックの開催のために2018年に2024パリオリンピック法が制定され、腐敗防止に向けた取り組みが規定された。そこで、本研究は、まずこの2024パリオリンピック法に規定された腐敗防止条項の内容を明らかにし、腐敗防止対策を検討し、日本への示唆を考察することを研究の目的とした。その結果、2024パリオリンピック法は、2018年に制定され、同法第4章で倫理及びインテグリティに関する規定を定めており、特に第28条(報酬委員会等の議員による監視)は、オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の倫理委員会及び報酬委員会について規定し、同委員会については国会により指名された議員等により顧問及び監視されること、第29条(関係者の口座管理)は、オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に関係して利益を得ている者の口座を会計検査院が監査し、議会に報告書を提出すること、第30条(関連企業の不正防止庁による管理)は、フランス不正防止庁がオリンピック・パラリンピックに関連した法人を腐敗防止対策の取り締まり対象として管理監督することが定められていることが明らかとなった。フランスでは、オリンピックの腐敗防止対策として、組織委員会への独立した監視体制の強化、関係者役員の所得口座の監査及び報告、関連企業・スポンサー等への管理監督に係る制度を導入しており、日本における不正防止対策の参考となることが示唆された。