日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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保健/口頭発表①

2023年9月1日(金) 14:00 〜 15:03 RY305 (良心館3階RY305番教室)

座長:久保 元芳(宇都宮大学)、物部 博文(横浜国立大学)

14:48 〜 15:03

[10保-口-04] 座位姿勢の身体的・精神的負荷の調査

子どもが取り得る座位姿勢に着目して

*増田 一太1、塩澤 成弘2、大友 智2 (1. 国際医学技術専門学校、2. 立命館大学大学院)

現在、子どもの腰痛の有病率は、成人期と同等であり、座位時に腰痛を訴える場合が多い。特に近年、子どもの体育座りに伴う腰痛が注目され、学校での体育座りを見直す機運が社会的に高まっているが、座位時に腰痛を訴える姿勢は体育座りだけではない。そこで、本研究の目的は、子どもが教育現場で実施することの多い、椅坐位、胡坐、立て膝、体育座りに伴う身体的・精神的負荷の影響について調査することとした。対象は、側弯症や脊椎分離症の既往を含む腰痛のない18歳から20歳の医療系専門学生96名(男性61名、女性35名)(平均年齢18.5±0.5歳)とした。調査は、椅座位(n=95),胡坐(n=93),立て膝(n=96),体育座り(n=92)の4種類の座位法を20分間行い、その間に生じる自覚的な身体及び精神的な負荷の種類と程度を調査した。結果は、体育座りが精神的負荷指数や実験を最後まで実施できなかったリタイア率が最も高い姿勢であった。立て膝は、他の姿勢との有意差はなかったものの、身体症状が出現する部位や種類が他の姿勢に比べ多彩であった。特に下枝の痺れの多さは、他の姿勢にない特徴であった。この原因は、同姿勢が左右非対称的な姿勢であるため、一側臀部に負荷が集中したことにより坐骨神経症状が引き起こされたものと考えた。椅坐位は、身体的または精神的負荷指数、リタイア率が最も低く、他の姿勢と比べ安楽姿勢であることが示唆された。一方、胡坐の精神的負荷指数やリタイア率は、椅坐位に近似しており、床での座位姿勢の中で最も身体的・精神的負荷の少ない姿勢であることが分かった。これらより、体育座りは、学校生活の中で取り得る姿勢の中で身体的・精神的負荷の高い傾向がある姿勢であることが分かった。