The 73rd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Subdiscipline)

専門領域別 » バイオメカニクス

バイオメカニクス/口頭発表②

Fri. Sep 1, 2023 2:40 PM - 3:54 PM RYB2 (良心館地下1階RYB2番教室)

Chair: Masahiro Shinya

3:25 PM - 3:39 PM

[05バ-口-09] 自転車競技トラック種目における至適ギア比の決定方法

200mタイムトライアルについて

*kisato nakamura1, yudai yamaguchi2, tetsunari nishiyama2 (1. Nippon Sport Science University graduate school, 2. Nippon Sport Science University)

目的:自転車走行における走行速度はクランクトルクと回転速度の積で決定される。トラック競技では最大パワーを発揮する機械的条件として使用するギア比があり、最大パワーが発揮できる至適ギア比は選手の体力特性等により異なると考えられる。競技現場でのギア比選択は経験的試行によることが多く、ギア比決定に関する客観的方法は確立されていない。本研究では自転車エルゴメーターを用いて測定した最大パワーおよび最大パワー発揮時のケイデンスを用いて、自転車競技トラック種目の200mタイムトライアルにおける最大パフォーマンス(走行タイム)を得るためのギア比を推定する方法を開発することを目的とした。方法:大学自転車競技選手男女6名を対象にエルゴメーターで全力ペダリング運動を実施させた。ケイデンス―パワーカーブより求めた最大パワー発現時のケイデンスを至適ケイデンスとした(Dorel et al.2005)。空気抵抗等を考慮して走行速度を求め(di Prampero, 1991)、実走で最大速度が発現するギア比(GOPT)を推定した。トラックでの実走測定は周長250mの木製走路で実施し、以下の4種類のギア比: GOPT、およびこれより重いギア比GOPT+1、軽いギア比Gopt-1、そして各選手が通常使用しているギア比(GUSE)を用いて100mタイムトライアルを実施した。結果:最大パワーは1203±180w、至適ケイデンスは126 ±9.52rpmであった。GOPTは4.15±0.35、Guseは 4.10±0.17であり100m走タイムはGopt-1、GOPT、GOPT+1、GUSEの順に5.84±0.21、5.63±0.24、5.63±0.21、5.78±0.20秒であった。考察:本研究で用いた200mタイムトライアルにおける最大パフォーマンス(走行タイム)を得るためのギア比推定方法はある程度は妥当であると考えられた。