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[08測-口-03] 一般女子学生及び女子学生競技者における筋力評価尺度としてのバーベル挙上能力について
ウエイトトレーニングの三大基本種目の1RM合計重量による評価
昨年の本学会では、一般男子学生と男子学生競技者におけるウエイトトレーニング(WT)の三大基本種目(スクワット、ベンチプレス、デッドリフト)の1RM合計重量には競技特性が存在することや、疾走能力との相関係数が単独種目1RMよりも高くなることについて報告した。本研究では一般女子学生と女子学生競技者において1RM合計重量の特性や疾走能力との関連について検討した。被験者は一般学生118名と、陸上短距離、陸上フィールド、屋内球技及び屋外球技の学生競技者45名(各々12名、7名、16名、10名)の計163名であった。測定項目は三大基本種目の1RMであり、パワーリフティング競技を参考にその公認審判員が測定した。また疾走能力は一般学生が50m走の記録を、陸上短距離選手が100m自己公認記録を用いた。1RMの三種目合計重量の平均は各々138.9kg(2.702kg/wt)、214.2kg(3.794kg/wt)、228.6kg(3.875kg/wt)、149.1kg(2.862kg/wt)及び158.0kg(2.845kg/wt)であった。一方、一般学生(50m:9秒45±0.63秒)及び陸上短距離選手(100m:12秒73±0.61秒)における疾走速度と1RM単独種目間の相関は、一般学生では三種目とも有意な相関が認められたが、陸上短距離ではスクワットの体重当りの重量(r=0.686、p<0.05)以外は有意な相関が認められなかった。しかし、三種目合計重量(体重当り)との相関においては、両群とも最も高い相関係数(一般学生:r=0.615、p<0.001; 陸上短距離:r=0.773、p<0.01)が示された。以上の結果から、女子学生においてもWTの三大基本種目の1RM合計重量には競技特性が存在することや、疾走能力との相関係数が単独種目1RMよりも高くなることが示唆された。