[09方-ポ-41] ゴルフクラブにおけるシャフトの取付位置とスイングの関係性
3Dプリンタを用いた試作クラブの効果と検証
目的:ゴルフは人気の生涯スポーツの一つであるが、初心者が安定してショットを打てるようになるためにはかなりの時間がかかることが多い。先行研究においてセンターシャフトパターの有用性が明らかとなっており、その他クラブにおいてもセンターシャフトクラブの方が初心者には打ちやすい可能性が考えられる。そこで本研究では、シャフトの取付位置を変えたゴルフクラブを作成し、取付位置とスイングの関係性について検討することを目的とした。
方法:通常のクラブと同様にヒールにシャフトが取り付けられるクラブヘッド(ノーマルクラブ)と、ヘッドのセンターにシャフトが取り付けられるクラブヘッド(センターシャフトクラブ)を3Dプリンタで作成し、それぞれ7番アイアンのシャフトに取り付けた。対象は大学生15名とし、作成したノーマルクラブとセンターシャフトクラブを用い、それぞれ5回のスイングを行った。スイング幅は、PGAカレッジゴルフテキスト(2017)のスイングクロックにおける「スイング2」を目標に行った。シャフトにクラブ取り付け型センサー Smart Golf Lesson(Sony社製)を装着し、フェース角、スイング軌道、アタック角、ヘッドスピード、スイングテンポを計測した。
結果および考察:ノーマルクラブとセンターシャフトクラブで測定結果を比較したところ、フェース角において、ノーマルクラブ0.56±8.88deg、センターシャフトクラブ-3.11±8.19degと有意差が示された(p<0.05)。その他の測定項目ついては有意な差異は認められなかった。シャフトの取付位置がクラブヘッドのヒール側にある場合、重心位置がトゥよりに偏ったクラブ設計のため、トップオブスイングからの切り替えし以降フェースが開きやすい。これらのことから、パターと同様にアイアンにおいてもセンターシャフトの方が初心者には扱いやすい可能性が考えられる。