[09方-ポ-59] 大学女子跳躍選手におけるコントロールテストと競技パフォーマンスとの関係
【背景】陸上競技は人間の基本的運動能力を競う種目である。運動構造はシンプルで体力がそのまま競技結果へと反映されやすく種目ごとに体力的特性がある。 跳躍種目の構造は、助走・踏切り・空中動作・着地の四つの局面に分けられる。競技力を高めるには、踏切時の爆発的な筋力発揮と走高跳以外は助走スピードを高めることが重要であると言われている(図子2020)。 トレーニング経過を確認する手段としてコントロールテストがある。競技に直結する体力要素に関する種目を測定し、その結果に応じたトレーニング計画を作成または修正することで競技力を高めるのに役立ている。これまでの跳躍競技者の体力的特性とパフォーマンスとの関係を検討した研究には、稲岡ら(1993)のものがある。これは男子を対象としたもので、女子を対象として研究は未だ示されていない。
【目的】本研究は、大学女子跳躍選手の各種コントロールテスト種目と競技パフォーマンスとの関係を検討することを目的とした。
【方法】大学陸上競技部に所属する女子跳躍選手26名を対象に実施した。コントロールテストの種目は最大筋力を測るためのリフティング運動(ハイクリーンを含む4種目)、爆発的筋力を測るためのパワー系運動(立ち幅跳びを含む10種目)、スピード筋力を測るためのスプリント系運動(30mダッシュを含む5種目)であった。尚、競技成績は、専門種目の2022年シーズン最高記録とした。競技記録の基準を一律にするためIAAFのスコアリングテーブルを用いて最高記録を点数化し、こうしたコントロールテストの結果を検討する。